打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

フランスの大航海時代-2

カルティエの記録(生物編)


その探検行でさまざまな地理的発見をした、フランスのジャック・カルティエ。
今回は、フランスの北米植民地の歴史上で重要な足跡を残した彼が、その探検航海の途中で見つけ、書き留めた生物上の発見物を取り上げてみます。記録された生物の中にはヨーロッパでも生息するものも含まれていますが、何しろ5世紀も前の報告ですから、中には現代では絶滅してしまった生物もおり、こうした先駆者の記録は貴重な生物の生存記録の手掛かりとなっているので生物好きの冒険者さんなら実際に書籍を読んでもかなり楽しめると思います。


ちなみにこれの参考資料としたのは、彼がフランソワ1世への報告書として残した『航海の記録』から。この報告書、原本そのものは現在散逸してしまっており、書籍として現代に残っているものは16世紀にイタリア人のラムージオがフランス語からイタリア語に翻訳し、そこから英語訳とフランス語訳が出ているのがまず一つ、それから19世紀後半にパリの国立図書館の蔵書から発見された、報告書原本からの写本を更に複製したものがもう一訳あり、現代では二種類の訳本を比較しながら読めるようになっているとの事です。



(カルティエの生物記録)
鳥が島-1
第一回探検でニューファンドランド島を発見し、現在のボナ・ヴィスタ岬に上陸したカルティエは、そこから少し北にある島(現ファンク島)で様々な鳥が異常に繁殖して生息しているのを見つけます。

・アポナ
鵞鳥ほどの大きさ、白黒の体表、カラスに似た嘴、そして飛ぶことができない鳥。
その代わり海中を泳ぐことに長けており、捕まえると非常に多くの脂肪を有していた。
少しの捕獲作業で船いっぱいに溜まるほど捕獲が容易なため、生のままでも食べたあと塩漬けにしたと記録に残る。
※この鳥は既に絶滅してしまったオオウミガラスと考えられています。

・ゴデ

空中を飛び、海中も泳ぐ。アポナより小さく、他の大きな鳥の近くに群れている。
※この鳥はオオハシウミガラスと考えられています。

・マルゴオ
ゴデより大きく白色で、他の鳥とは離れた所に群生している。
近付くと噛み付いてくるので捕獲は困難。
※この鳥はシロカツオドリと考えられています。

・白い熊
隣の島から14リュー離れているにも関わらず牝牛ほどの大きさの真っ白い熊が泳いで鳥を捕まえに来るのを発見する。泳いで帰るところを捕獲して食すると、二歳牡牛と同じくらい美味だった。


鳥が島-2
ラブラドールの沿岸からシャトー湾を発見したカルティエは、そこにまたしても鳥が大量に群生している島を発見します。(現在のグリーンリー島)

・リシャール
ゴデと共にいるリシャールという鳥は、嘴と脚が赤く、ウサギのように土中に穴を掘って巣を作る。

・カンヌ
ケワタガモの一種。入り江に大量に卵を残しているのを発見する。


ブラン・サブロン島と入り江群
鳥が島の周辺には数多くの入り江と島があり、そこを丹念に調査していたカルティエの探検隊はこの入り江の周辺は鮭や鱈の好漁場であることを確認し、更に現地住民を発見します。

・ベオタック族?
立派な体格、頭の上で一握りに結い上げ羽飾りと串を差した髪、獣の毛皮と帯を締めた衣服、体には黄褐色の顔料を塗っている。この連中は土地の住民ではなく、もっと暖かいところから樺の木で造ったバルク舟に乗り、アザラシを取りに来ている事を知る。

・樹木、野鳥
西に移動してプリンスエドワード島を発見したカルティエは、この付近に上陸して野生の植物も記録に残しています。まずこの土地では杉、いちい、松、白楡、西洋トネリコ、柳などの樹木、野生の豆、白すぐり、苺、赤すぐり、木苺などの果実、野生の麦、ライ麦、雉鳩、山鳩なども豊富に生息している。

カルティエはこのプリンスエドワード島を含む入り江の一帯はシャトー湾の一帯より暖かく、耕作にも適している土地と報告しています。そして、これらの樹木の中でも杉材は非常に大きく、最大級の船のマストに使用するにも最適との観察を残しており、後にこの地域で主力の船材となる杉材に早い段階で注目しているのは興味深いですね。


現地人との遭遇
現地の部族民が接近してきた際、最初は大砲を撃って威嚇したり火棒を投げて撃退していたカルティエですが、彼らが敵意のない仕草をしてみせるとこれに気付き、言葉は通じないものの間も無く取引を始めることに成功します。
彼らが持ってくるのは主に毛皮やアザラシの肉で、カルティエたちが渡したのは小刀・鉄製の道具、赤い帽子(首長に渡す為の)、手斧、数珠など。多いときで300人もの集団が交換に来たと記録にあり、その後も別の部族がやって来たといいます。

それにしても、後に出会うイロコイ族もそうですが、実はこの地域の先住民は非常に勇猛で現代でもアメリカ合衆国の支配を受け入れないほど独立性の強い者たち。カルティエ達が彼らとあっさり友好的な関係を築いて取引を始めたり、案内させたり最終的には族長クラスの家の子弟を連れ帰って来るまでになるのはかなり不思議としか思えません。


・イロコイ族
更に西へ移動したカルティエは、ここで始めて大規模な船団に遭遇します。40隻200人からなるこの先住民の船団は鯖を取りに来ているらしく、彼らに近付いたカルティエは彼らに再度物々交換を求めるなど友好的に接触することに成功します。

この部族は記録によるとこれまで出会った者たちともかなり異なっており、一見してかなり貧しい身なりをしていたと言います。まず、彼らが身に付けているのはわずかに腰の周りと肩に掛けた毛皮類のみ。髪は一束を残して頭の周りをほぼ全て剃っており、残った束を馬の尻尾のように長く伸ばして丸い塊に結い上げいた皮ひもで縛っていたと言う。

彼らは乗っている船をそのまま引っくり返した所にそのまま寝るような生活をしており、肉や魚を食するときも生のままもあれば軽く焙っただけでも食べてしまう。彼らが主に食する穀物はと言うと、栗のように大きな粒の豆(これが実はトウモロコシだった)をパンのようにして食べている。この穀物は「カゲージュ」と呼ばれている。



カルティエの第一回探検の記録はこの後も続きますが、ここまでざっと上げただけでも実に良く観察している、優秀な報告書だったことが良く分かります。
その表現は時折文明人として先住民を見下す視点が伺えるのはやむを得ないところですが、結果としてこのあとカルティエはイロコイ族と友好的な関係を維持して内陸部への案内を受け、比較的成功裏に探検を終わらせてフランスへ帰還している点も良く考えたら非常に優秀なものといえるでしょう。
まあ、この報告書を手にしたフランソワ1世が、富と呼べるほどの物を持ち帰れなかったカルティエに次の探検を命じたことでもその評価は伺えるかもしれませんね。

※出典資料 『大航海時代叢書 Ⅱ-19巻 フランスとアメリカ大陸 1』 より。



おしまい。


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  1. 2010/11/23(火) 20:46:16|
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