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イングランド海軍の編成と階級について-2

それは戦士の乗り物から


前回に続いて海軍の組織と階級のお話です。
運用組織としての海軍本部(Admiralty)が管理能力で相当に遅れた組織だったのは前回見ましたが、階級の方もそれが現代に続くものになるまでには相当に時間を要しています。

というか、最初は階級≠配置なのが昔の海軍のややこしいところで、
階級=配置としてある程度確定するまで成立当初からかなり長期間を要しています。
そもそも戦士の乗り物に過ぎなかった船が王立の艦隊として成立する16世紀頃まで、実はイングランド海軍に固定の階級というものはほとんど存在していません。

つまり、船1隻が全ての基本単位で、地位(配置)はその中で完結するものだったのです。
例えば艦長、航海長といった士官がいて、それから掌帆長・掌砲長などの下士官がいてという、船1隻における配置だけが船乗りたちの身分を保証するもので、その船が失われれば基本的に無職に戻ってしまうようなものと考えたらいいでしょうか。そこには、大佐とか大尉というような船を下りても固定している階級は存在していません。

この名残はかなり後まで、いえ呼称だけなら現代まで残っていますし、
船が基本単位なのは現代でも変わりませんよね。

そうは言っても、時代と共にどんどん専門化してゆく艦内での業務を行うのに、身分があやふやな状態では人的資源の維持においてはあまり好ましい状況ではないのも確かです。そんな訳か時代が下ると共に配置主義から階級制へと移行してきますので、その移り変わりも見てゆく事にします。



【イングランド海軍の階級呼称】
Ⅰ艦内での配置
1.中世期
キャプテン (指揮官)
マスター  (船長兼航海長)
ボースン  (掌帆長)
カーペンター(船匠)


この時代には基本これだけで、注意するのはキャプテンとマスターの関係。
航海長=船長であり、船の運航に関してはマスターが全責任を負っていました。
キャプテンの役割は、軍人として船の行動先を決定する事と、
戦闘時における兵士たちの指揮。
つまりマスターが航海と船の管理を、
キャプテンが戦闘指揮とそれぞれ担当が分かれていたのです。
これは船乗りと騎士・戦士の階級が分かれていた時代の名残と言うべきでしょう。
それからボースン(掌帆長)の役割は、
次席士官として艦内で起きていること・運用に関する全ての管理監督。
カーペンターは船の状態維持修繕に関する事柄。
確かにこの位の役割分担の中では細かい階級はいらないと思えますね。


2.砲撃戦の到来(16世紀)
マスター (船長兼航海長)
マスターズ・メイト(航海士)
ボースン (掌帆長)
パーサー (主計長)
サージョン(医務長)
ガンナー (掌砲長)
コーター (信号長)
コクスン (艦長艇長)
ヨーマン (船具倉庫長)
コック  (調理長)
その他(清掃員長、ラッパ手、鼓手、給仕員長など)


だいぶ増えましたね。
これは1582年における中型ガレオン船の士官名簿からの一覧。
それぞれ各部署の責任者は呼称の頭にマスター、助手ならメイトを付けます。
職務がだいぶ細分化されている一方で、注目すべきはマスターがキャプテンを兼ねているところ。
つまりこれは、大砲の登場によって武装の操作を船乗りが行うようになった=水夫→水兵へと変わったことが影響しており、そうなると船の指揮と戦闘指揮者は同一人物が行った方が良いと考えられた為と考えられます。
ただし、大型艦においてはキャプテンとマスターはまだ別れていました。

そして、士官と下士官が一緒くたになっているのもこの時代の特徴でしょうか。
この中では士官と呼べるのは精々ボースンかガンナーくらいまででしょう。
更に時代が下ると航海士までしか入ってきません。


3.18世紀の士官
キャプテン (艦長)
レフテナント(海尉)
マスター  (航海長)
セカンドマスター(航海士)
パーサー  (主計長)
サージョン (医務長)


士官がだいぶ減り、細かい職務の責任者は下士官となります。
ボースンが外れたのは海尉の登場で艦内の運用補佐を行うようになったからでしょう。

但し、後述しますがキャプテンを名乗れるのは戦列艦やフリゲートなど1~6等級までの正規の等級艦のみでしたので、それ以外の等級外の小型艦(スループ艦扱い)ではレフテナント(海尉)の先任者の中からマスターと船長を兼任するマスター&コマンダーを置く運用が18世紀末くらいまで残っています。(※資料によっては勅任艦長が就くのは5等級までとしているものがあるので注意)
更に1794年に等級外の小型艦にも航海長が分離して置かれるようになり、船長=コマンダーになります。
最終的にコマンダーはその下にレフテナント・コマンダーという階級も登場し、コマンダーとレフテナント・コマンダーは大型艦の副長職や小型艇の船長職になり、キャプテンからレフテナント・コマンダーまでが現代における佐官クラスの原型となります。(現代でもまるっきり同じ呼称です)

そして、現代では士官の呼称として残っているのはレフテナントまで。
このように船の進歩・重武装化・複雑化と共にマスターは船の運用責任者から次第に下士官扱いとなってきますが、マスターは敬意を払われて食事は士官と同じ場所で取る事が許されるなど、特別な存在だった事には変わりませんでした。

このように、海軍の軍艦は単なる戦士の乗り物から、次第に専門化・強大化した兵器へと進歩してゆくと共に、乗っていた人々もまたその職責が複雑になって行ったことが分かるかと思います。そしてその階級もまた、これに合わせて複雑・増大化してゆくことになったのです。


またしても長くなったので、
海軍内での細かい階級については次回とします。



おしまい。


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↑次回で最後、かな・・・?

テーマ:大航海時代Online - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2010/12/12(日) 12:38:37|
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