打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

剣闘士スパルタクス その1

ローマ史上最大の奴隷反乱を率いた男


古代ローマの上流市民の生活は、日常生活から商売・娯楽に至るまで奴隷が関わらずには済まないものでした。奴隷といっても非人権的な扱いを受ける者から、高度な知識を持ったギリシア人教師・農地の経営を任される者・主人の子供と一緒に教育を受けて成人後にはその子の片腕となって支える者など、あらゆる階層に奴隷は介在していました。また面白いところでは毎朝主人の髭を剃るだけの奴隷とかもいたようですね。
しかし今回の話はそんな平和的な生活を営んでいた者の事ではなく、もっと『古代ローマの奴隷』 と聞いてまずイメージする者達が引き起こした、史上有名なある事件の主人公についてです。


スパルタクス
  
(?~BC71年)

紀元前73年、ナポリ近郊の大都市カプアで起こった奴隷剣闘士たちによる逃亡・反乱は瞬く間に周辺に広がり、結果として数万人以上が加わる史上最大の奴隷蜂起となってしまいます。その反乱を指揮していた人物こそが、カプアの剣闘士スパルタクスでした。スパルタクスはマケドニアの更に北にあるトラキア地方出身の奴隷剣闘士ですが、中々にリーダーの資質を持った人物のようで、同じトラキア人だけでなくガリア・ゲルマン・ギリシアなど各地方出身の奴隷達も彼に参加して脱走しています。手に持ったのは料理に使うナイフと鉄串と云いますから彼らの必死さが伝わりますね。
彼らはまず、カプア近郊で絶好の隠れ場所となるウェスウィウス火山に逃げ込みますが、当然ながらしばらくすると事態を知ったローマ軍が鎮圧に向かいます。
・・・ここであっさり鎮圧されるようなら別に後世に残る大事件になるはずが有りませんねw ではちょっとその後の経過を追ってみましょう。



(第一戦:BC73年ウェスウィウス山の前哨戦)

ローマ軍・・・法務官クラディウス・グラベル =半個軍団(約3000人前後)
逃亡したスパルタクスの集団   =剣闘士74~78人(!)+近隣の奴隷たち?
結果・・・スパルタクス達の楽勝

普通に考えれば、いかに急ごしらえとは言ってもろくに武器防具を持たない奴隷たちが地中海世界をほぼ制したローマの重装歩兵に勝てるとは思えませんね。ところが、ウェスウィウス火山はまだ大噴火を起こしてポンペイを消滅させる百数十年前の時代の深い森の山地ですから、ローマ軍が最も得意とする開けた平地に展開しての野戦というわけにもゆかず、自然と森林でのゲリラ戦になってしまいます。ところが逃げているのは個人戦闘のプロである剣闘士がほとんど。結果だけいえばローマ軍はろくに討伐できずに追い払われてしまいます。まあ、この地勢では集団の力を活かすよりも個々の武勇に依存する方が強いでしょうから、この結果も分からなくもありません。但し言えるのは、この戦闘でスパルタクスたちは経験を積み・ローマ軍の武器防具や補給物資を手に入れたということでしょうか。


(第二戦:BC73年ウェスウィウス山の戦い)

ローマ側・・・法務官ウァリニウス =2個軍団(約12000~15000人)
スパルタクス側・・・近在の奴隷も参加しはじめる =10000人程度?
結果・・・ローマの2軍団がほぼ壊滅!


本国の法務官と言うことは正規軍、それもいわゆるインペリウム(絶対指揮権)の単位である2個軍団の将です。この正規兵に同盟諸都市の補助兵を加えた集団がローマの基本的な戦略単位になり、大抵の国・都市・部族に対してはこの組み合わせで対抗出来るほど強力な軍事力を持っていたはずです。ところが緒戦の勝利を知ったカプア近郊の奴隷たちがスパルタクスの集団に加わり始め、1万人規模に増えてくるとまたしてもローマ軍はスパルタクス達の奇襲作戦の前に敗れてしまいました。それも背後からの急襲を受けての2個軍団がほぼ全滅と言う惨敗です。この体たらくではどちらが軍事のプロか分かりませんね。しかしこれで更にスパルタクスの反乱軍は人数・装備共に充実してゆくことになります。反乱軍はその後も細かい勝利を重ねて周辺地域も支配下に置き、そしてローマは反乱を討伐できずに年を越してしまいます。



ここまでを見ているといくらなんでも手間取りすぎでしょうと思うかもしれません。但しこの当時ローマ軍の最精鋭はヒスパニアで発生したセルトリウス 将軍の乱と、小アジア地方ではポントスの王ミトリダテスの侵略という、東西で発生した2大紛争に戦力を取られていて、国内は2線級の将兵しか残っていなかったようです。その為に軍の編成その他で手間取って事態を悪化させたと見るべきでしょうか。また、この反乱の指導者であるスパルタクス自身にも有る程度の軍事的才能も感じ ずにはいられません。いくら将兵が最精鋭でなかったとしても相手はローマの軍団兵です。ほとんど軍事経験がないことを考えると一介の剣闘士の才ではない気がします。


長くなりそうなので続きは次回としますね。

おしまい。

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コメント

前回のマニアックから一転・・今回はメジャーだぬ!!
  1. 2006/08/14(月) 02:59:55 |
  2. URL |
  3. めけ #-
  4. [ 編集]

前からこの人はどこかで書こうと思ってて・・・
ローマの正規軍をイタリア本国の中で負かしている人って数える程しかいないんで!
  1. 2006/08/15(火) 09:33:26 |
  2. URL |
  3. ハミルカル #-
  4. [ 編集]

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