打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

剣闘士スパルタクス その2

ローマ史上最大の奴隷反乱を率いた男 2


前回はカプアで蜂起したスパルタクスら奴隷剣闘士たちがウェスウィウス山でローマ軍の2個軍団を迎え撃ち、撃破したところまでを見てきました。今回は年を越してからの彼らの動きを追ってみます。あまり長くなるのもどうかと思いますので、できればまとめて行きたいと思います。


スパルタクス
  
(?~BC71年)

ウェスウィウス山で勝利を収めてから、スパルタクスの下には南イタリアのカンパーニャ各地から奴隷たちが集まり始めます。BC73年の秋頃には2万人を超え、ふもとのナポリ湾一帯に勢力を拡大し、更に南部ルカニア地方に出て小さな勝利を重ねてゆきます。またトゥリィ・メタポントゥムなどいくつかの拠点を得て武器を製造し始め、年を越す頃にはその数7~8万にも膨れ上がってゆきました。
但し膨れ上がった集団の半数以上は戦力とならない老人・女性・子供だったようですので、実戦力は30000人前後だったかと思われます。
明けてBC72年、これだけの大集団ともなるとそれぞれ思惑が出てくるのはやむを得ない所 でしょうか。一つは直ちに北イタリアからアルプスを越えてガリアやゲルマンなど彼らの故郷に帰ろうとする集団。もう一つはイタリアに留まり略奪を繰り返して機を見るという意見の集団。結果、冬営地から北上しながらここでスパルタクス達の集団は2つに別 れ、一方はスパルタクスが、 もう一方はガリア人の副将クリクススが率いることとなります。(当初の首領格のうちオエノマウスは既に戦死していたようです)



(第三戦:アプリア地方・ガルガヌス山麓の戦い)

ローマ側・・執政官ルキウス・ゲルリウス =2個軍団(12000人強)

スパルタクス側・・副将クリクスス率いる第2軍 =30000人前後
 結果・・ローマ軍がクリクススを破って戦死させ、配下もほぼ壊滅。


北上を始めたスパルタクスに対するローマ軍のほうも流石に本腰を入れ、今度はトップである執政官2人ともが反乱の鎮圧に当たることなりました。ですがこれは非常事態にも等しい対応とさえ云えます。通常、2人の執政官のうち軍を率いて出るのは片方だけで、残った方はローマに留まって内政に専念するのですから。(両方とも出る場合は法務官がローマ本国の政務を代理し、さらに非常事態となれば執政官の上に独裁官を半年期限で設けて政軍務を統括することも有ります)
とにかく両執政官ゲルリウスとレントゥルスが出馬、これで戦力は4個軍団・24000人以上にまで強化されました。

当初、スパルタクスの方へは北からレントゥルスが、第2軍のクリクススの方へは南からゲルリウスと、全体を南北から挟撃を受ける形で奴隷達の北上は始まります。奴隷達はアペニン山脈の山岳地帯を行軍していましたが、周辺地域を略奪しつつ離れて行動していた為に行軍の遅かったクリクススをゲルリウスが捕捉する形で戦いは始まりました。このときクリクススは東のアプリア地方、現在のフォッジャ付近でガルガヌス山麓へ下りていて、そこを強襲されたのでした。結果は副将クリクススはじめ30000人のうち2/3が戦死。残りは逃亡して更に一部はスパルタクスに合流すると言う、奴隷達にとっては初の惨敗・ローマにとっては大勝となりました。



(第四戦:スパルタクス対 執政官ゲルリウス)

ローマ側・・執政官ルキウス・ゲルリウス =2個軍団(10000人前後)

スパルタクス・・スパルタクス本隊 =40000人前後
 結果・・スパルタクスが数の減っていたゲルリウス軍を撃破。


副将クリクススの戦死と率いた軍の壊滅により、2人の執政官に前後から挟撃される形となったスパルタクスの本隊は、ここで逆襲に出ます。この時スパルタクスの実働兵力は恐らく全体の半数以下の20000人以下でしょう。これを装備に優れた22000人前後のローマ軍に挟撃されてはまず勝ち目はありません。そこでスパルタクスはローマ軍が南北に分かれている状況を逆に利用し、先の戦闘で分派し数の減っていたゲルリウスの軍から各個撃破を狙った戦術に出ます。
こうすればローマ22000人VSスパルタクス20000人が、①10000VS20000 と ②12000VS20000 の戦いに持ち込め、
逆にほとんど戦力を消耗せずに各個撃破することが出来るかもしれません。(いわゆる『ランチェスターの第2法則』だけを用いると、総兵力が1割しか違わなくても各個戦術で考えたなら、敵を全滅させた上で自分は6割以上の生存率で勝ち残れます)
しかしこれ、記録を知った後世の者の机上の理論ではそうかも知れませんが、その通りに事を運んだのですからスパルタクスの軍才は確かに並みでは有りません。



(第五戦:スパルタクス対 執政官レントゥルス)

ローマ側・・執政官グナエウス・レントゥルス =2個軍団(12000人強)

スパルタクス側・・スパルタクス本隊 =40000人前後
 結果・・スパルタクスが中央突破→背面展開の戦術で完勝!


この戦いはちょっと強いとしか言い様がありません。ゲルリウス軍を撃破した後、スパルタクスは北上を阻むもう一方の執政官レントゥルスに襲い掛かります。それも左右に展開して包囲を狙ったレントゥルスに対してスパルタクスはガリア騎兵を中心に薄くなった中央を突破、そのまま背面に展開して逆包囲し、レントゥルス軍が混乱した所を正面から歩兵で本軍を殲滅と、これなら自分の方にも目だった損害を出さずに勝利できたでしょう。
この両執政官に対する勝利の後、イタリア本国ではスパルタクスに対抗できる集団はなく、そのままローマのある中部を越え、北部・現在で言うとフィレンツェのあるトスカーナ地方~ボローニャのあるエミリアロマーニア地方に達する所まで来ました。



第六戦:スパルタクス対 地方長官カッシウス)

ローマ側・・ガリア・キサルピナ地方長官カッシウス =約10000人

スパルタクス側・・スパルタクス本隊 =120000人前後
 結果・・スパルタクスがカッシウスを簡単に破る。。


ローマの執政官2人の率いていた合計4個軍団を撃破し、スパルタクス軍はついにアペニン山脈を抜けて北イタリアのポー平原に出ます。
目指すアルプス山脈まであと300キロ足らずの地点、現在のモデナ付近まで到達していたスパルタクス軍は、ここで地方長官のカッシウスの要撃を受けます。しかしここまでの勝利で道中の各地方から奴隷たちが続々と参集し、その数は10万とも12万とも云う大集団に膨れ上がっていました。如何にローマ軍が精強で、スパルタクスたちの大半が非武装の民衆だったとしても、数を背景とした歴戦のスパルタクス本隊の敵ではなかったのでしょう。結果はローマが長官のカッシウスは何とか逃げ延びたものの、配下のローマ兵はほぼ壊滅という惨敗を喫します。



こうしてBC72年夏までの戦いは、イタリア本土のローマ軍が4万人近い損傷を出して壊滅し、スパルタクスたちの前に目立つ妨害勢力は存在しないという状況になってしまいました。
しっかし、ここから先の展開は大きな歴史の謎ですねえ。長くなりましたのでまたしても次回に持ち越しとなりますが、多少はこの点についても含めてまとめて行ければと思います。


時代的な備考を述べますと、BC70年代のローマ北部の版図はまだ北イタリア・アルプス山脈の南側に留まっていて、西のプロヴィンチア地方が組み込まれてるかな~と言った状況です。彼らが目指していたと思われるガリアはまだ諸部族が割拠する地域で、ここを版図とし始めるのはこのおよそ15年後、ユリウス・カエサルの登場を待たなければなりません。

しかしこれも歴史の興味ですが、この当時まだ27歳
前後で元老院議員にもなっていなかったカエサル青年が、この事件をどう見ていたかはちょっと知りたいとは思いませんか?


おしまい。 つーかコレなげぇよ~

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  1. 2006/08/14(月) 11:34:40|
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コメント

おぉーー


どーもー
男塾のマーサですw

スパルタクス・・・名前は知ってましたけど詳しいことは全く知らず^^;
こんな凄い人だったとは。。。
彼自身は負けしらずじゃないですか!?
コノ後のお話、スゲー楽しみです^^
  1. 2006/08/15(火) 14:04:12 |
  2. URL |
  3. マーサ #Qx9fsVWc
  4. [ 編集]

マーサさん>>
スパルタクスのやらかした事はでかかったんですが・・・
その後は!! とか期待して最終回見ると凹みますんでそこそこに・・・
  1. 2006/08/16(水) 11:32:23 |
  2. URL |
  3. ハミルカル #-
  4. [ 編集]

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