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スキタイ~騎馬遊牧国家の歴史と考古

スキタイ本の紹介


世の中大変なことになっていますが、
ここはそろそろ復帰します、そういう意識も重要かなと思ったりもする。
で、先週取り掛かり始めた書籍紹介をば。


『スキタイ 騎馬遊牧国家の歴史と考古(ユーラシア考古学選書)』

出版:雄山閣
著者:雪嶋宏一


スキタイ 騎馬遊牧国家の歴史と考古


前回紹介した『中央ユーラシアの考古学』の著者の一人でもある雪嶋先生の著作です。
このユーラシア考古学選書シリーズはかなりの良書揃いでどこから取り上げれば良いか悩む程なのですが、前回との繋がりで概説書の次は一番古い方から紹介して見ようかと思い、まずこれを。


(スキタイ)
本書の説明に入る前に、まずスキタイの概略について。
スキタイは国家と呼べる規模の集団としては世界最古と見られる騎馬遊牧民です。
だいたい紀元前9~8世紀頃に中央アジア東方で登場し、紀元前3世紀までカスピ海北東部~カフカス~黒海北岸あたりに跨る一帯を根拠地とし、それ以後に数多登場する騎馬遊牧民の源流とも見られる一大国家を築くに至ります。

彼らスキタイの支配層はイラン系と見られており、その盛期には黒海・カスピ海北岸・中央アジアに留まらずに南下して古代オリエント世界に強い軍事的影響を与え、彼らを脅威と感じたペルシアのダレイオス大王の遠征を逆に退けるなど、世界史上に初めて騎馬遊牧民の強大な武力を示したという軍事史上でも非常に重要な存在でしょうか。

彼らが古代からその名を残しているのはスキタイに強い興味を持ったギリシャ人のヘロドトスが自身で現地調査に行き、その著作『歴史』で第4巻の大部分を費やして記述したことが大きいでしょうが、実際に近世以降に研究と発掘活動が始まると文化的にも非常に魅力あふれた集団だったことが明らかになり、エルミタージュ美術館の膨大なコレクションは今も見た者を圧倒するといいます。



(書籍商介)
本書はまずスキタイ最初期の編年から入り、遺跡・遺物の分類とその変化を比較するという考古学としてはオーソドックスな部分と、史料から見える歴史事象とを裏づけを兼ねて織り交ぜている所が単なる考古書籍に留まらない辺りで、この記述スタイルはスキタイに限らず初めて騎馬遊牧民に関連する書籍を手に取る者にとっても入りやすいと思われ、好感持てますね。

本筋から逸れる話かも知れませんが、読んでいて面白いのは紀元前9~3世紀というかなり長きに渡って存在したスキタイと同時期に存在した別の騎馬遊牧民の集団との比較の辺りでしょうか。特に先スキタイ時代にギリシア・アッシリア双方の史料で登場するものの実態がほとんど不明のキンメリオイ(ギミッラーヤ)に関する多くの研究者の学説比較や、スキタイ後期に関わってくるサルマタイ、サウロマタイ、ネウロイ、ゲノロス、更に中央アジア東方に属するアラン、匈奴など他の騎馬遊牧民との比較・整理・影響についての記述は史記や漢書などの漢字史料に接することの出来る日本人としては自然と読み進んでしまうところ。

総合評価は★★★★ ★/☆

★4.5をどう付けていいか分からん・・・。
本書を高く評価するのは、本編の内容だけでなく全編通じて著者のスタンスが非常にニュートラルというか俯瞰した視点で記述を進めている点も含めてで、変に自説を展開して差別化を図ろうとしていないのが非常に好感が持てますね。 まあ余りにも第三者的な視点で書かれると逆に読んでて面白くないのですが、そこは地図、イラストや分類表・比較図が結構多めに、しかもかなり見やすく挿入されているのでうまく興味を逃がさない編集になっていますね。
ここは著者だけでなく編集側も相当に判ってる人が付いてるナと思わされる。

★5評価付けても全く問題ない気もしますが、
そこまでの書籍って数年に一冊くらいしか出会わないので寸止め。
まあ、興味のある方には普通にお勧めできる一冊なのは間違いないかと思います。



次回はこのシリーズからもう一冊。
たぶんこちらの方が大航海世界に関係強いかな。



おしまい。


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あと2~3冊紹介する予定です。


テーマ:大航海時代Online - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2011/03/13(日) 12:58:10|
  2. 本の紹介
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