打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

賢王シャルル5世 その2

苦難のフランス

前回はシャルル5世の治世の概略を追ってみました。
2回目の今日からはその周辺情勢・人物その他について順次見て行きたいと思います。恐らくあと数回掛かる話になるのでどうか気長に見て行ってください^^


シャルル5世 (1338-1380年、在位1364-1380年)

(百年戦争)
この名前自体はかなり有名ですが、一般的にはジャンヌ・ダルクとの連想が大半なのではないでしょうか。ただ後半の登場人物である彼女と、前半のシャルル5世はそう無関係でもなく、ジャンヌの活躍後にランスで戴冠したシャルル7世は彼の直系の孫に当たる人物です。
『英仏』百年戦争とは言っても、以前アリエノール・ダキテーヌやジョン欠地王の回で見たように、この時代のイングランドの王朝は実質フランス人です。フランス側からは侵略、イングランド側からは征服と後世考えられてはいても、実際イングランドが占領したアンジュー・ノルマンディ・アキテーヌは家門の地、すなわち出身地です。戦役中でも屈指の大会戦(といっても精々2~3万人規模なんですがw)が行われたポワティエなんて本当にアンジュー朝にとっては元々の根拠地もいいところですからね。
この様に表面上は2国間でも実情は一種の内戦として始まったこの戦いは、(羊毛→毛織という一種の貿易問題という側面も)後半の段になってフランス国内の党派争いも絡んで複雑化し、最終盤では国対国の様相を強めていきます。これはその後15世紀末~16世紀になってフランスのいち早い中央集権化に大きく影響したと思われるのが歴史の副作用と言うべきでしょうか。
話が脱線気味なのでちょっと戻して、シャルル登場までの経過を大筋で追ってみましょう。

クレシー01
        クレシーの戦い(フロワサールの年代記より)

(前段)
①クレシーの戦い (1346年)
②ポワティエの戦い(1356年)

1337年、直系男子が途絶えたフランス王位の後継問題に端を発したこの戦争は、ヴァロワ朝の祖フィリップ6世、2代目で息子のジャン2世共にイングランドに対して次第に劣勢を強いられます。
(血統問題については次回以降に取り上げます)
そして上記のイングランドとの2大会戦に大敗したフランス王家は、ノルマンディ・ブルターニュ・アキテーヌ(ギュイエンヌ)など、北~南西に掛けてのほぼ領土の1/3を制圧されてしまいます。

大航海時代Online関係で見ると、フランスはクレシーの戦いの翌1347年に、北部の重要基地であったカレーを占領されてしまいます。そしてカレーは1558年に奪回するまで200年以上に渡ってイングランド領となっていました。
って・・・あっれ~??
確か、大航海Onlineって1520年代くらいの時代設定じゃなかったっけ?
カレーのフランス領って、どうなんだろ??
・・・ま、まあいいか。
(本当はボルドーも1453年まで占領されてたし、ナントに至ってはブルターニュ公領だなんてとても言えない・・・)

(賠償と戦後処理のどん底)
脱線続きでスミマセンが、特にポワティエの戦いは最悪で、父で当時のフランス王ジャン2世やシャルルの弟たちなど多くの王侯が捕虜にされる完敗でした。この時代、身分の高い人物は無闇に殺されず、人質として身代金で保釈されるのですが、王様の身代金と言ったらそれはもう国家賠償の金額でした。(50万ポンド/400万エキュとか詳しい数字は不明です)
当時のフランス王家は未だにパリ周辺の直轄領からの租税と上級君主としての上納・裁判による手数料などが収入の大半で、大きな合戦となれば諸侯に声を掛けて参集すると言った程度でした。
(当時すでにイングランド軍は農民主体による歩兵と長弓部隊を創設し、安価な装備ながら常備軍を編成しています。ここら辺は、中世的なフランス騎士と常備軍による集団戦法、戦術にどちらが一日の長があるかは明白です)
当然ながら国家歳入の数年分にも相当する金塊を一度に払える筈もなく、シャルルは王太子のまま三部会を開いて一時金を募り、イングランドと交渉に臨みます。(民衆反乱はこの時期のもの)和約と分割支払いを認めさせる事で父・弟達を保釈させたシャルルですが、結構しっかりしています。最初の頃の分割払いは行いましたが、その後はのらりくらりとかわして金貨1枚も払っていませんw
更に人質となっていた弟のアンジュー公が脱走してしまい、これに怒った父ジャン王は自分から再びイングランドに渡って捕虜となりました。(当時の見解では『騎士の鑑』ですが、息子からすれば迷惑なだけかも)
最終的にシャルルは父を見捨てて王位につきます。まあ、自分で戦って・負けて・勝手に捕虜になった親父よりも国の行末の方が大事ですからねえ。。1360年のブレティニィ・カレー和平条約をどん底として、ここからシャルル5世の逆襲が始まりますが、続きは次回にします。


(ブラック・プリンス)
ところで、なにもフランスだけが才能の集まりだった訳ではありません。むしろ当時の常識で言えばイングランドとそれに加担したフランス南西部ガスコーニュ人などの方に高名な将が揃っていました。中でも英傑として知られるのがこの人。
エドワード黒太子・・・イングランド王エドワード3世の長子で、合戦では黒甲冑を好んで着たため『黒太子』の名で知られます。
クレシーの戦いには若年ながら1部隊を率いて参戦、更にポワティエの戦いを実質指揮して勝利に導いた名将で、優勢なフランス軍の主力騎士団を正面の歩兵と側面の長弓兵で迎え撃ち、その間に手持ちの騎兵に背後の森から迂回させて奇襲し包囲殲滅した戦術指揮は素晴らしいものでした。後に登場したフランスの将軍ベルトラン・デュ・ゲクランとも度々渡り合い、むしろ何度も捕虜にするなど中々の将才を見せた王子でした。後世、騎士の模範と目される彼ですが、ただ一点、リモージュで行われた大虐殺だけは批判が集まる行為だったのが残念です。但し、黒太子がとてつもない名将かというのはちょっと疑問に思っています。数的不利を覆して勝利する点は素直に評価ですが、そもそも戦術的進歩がイングランドにあり、その評価はエドワード1世時代にまで遡るものですから、勝てそうな条件で確実に勝った堅実な武将だったのかもしれません。ただ、少なくともこの時代に与えたインパクトが大きかった存在であるのは間違いなさそうです。早世しなければなぁ~と思う一人ですねえ^^


おしまい。

FC2ランキング02 まだまだ続くよ!
  1. 2006/09/22(金) 07:53:29|
  2. 大航海な人物伝
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

ブルゴーニュ領もブルターニュ領も1500年代になってようやくフランス領に・・・・。
ま、まああまり気にしない方向で・・・。
  1. 2006/09/22(金) 09:58:16 |
  2. URL |
  3. めけ #-
  4. [ 編集]

めけさん>>
ま、まあ、イングランドのプレーヤーが気付かなきゃいいですよね・・・
  1. 2006/09/23(土) 13:58:01 |
  2. URL |
  3. ハミルカル #-
  4. [ 編集]

拙作サイトの参考にさせていただきました

 はじめまして.
 消印所沢と申します.
 唐突にメールさせていただくご無礼をお許しください.


 さて,このたび拙作サイト
「軍事板常見問題&良レス回収機構」
におきまして以下のQ&Aを作成する際,
貴ページを参考にさせていただきましたので,
報告させていただきます.
http://mltr.ganriki.net/faq11l.html#Battle-of-Crécy

 引用の範囲内かと存じますが,
もし差支えがございますようでしたら,
遠慮なくお申し出いただければ幸いに存じます.


 それでは今後ともよろしくお願い申し上げます.
 草々
  1. 2010/05/27(木) 22:19:53 |
  2. URL |
  3. 消印所沢 #b5.M5V.g
  4. [ 編集]

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