打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

クリッパー 対 蒸気船 

クリッパー 対 蒸気船 


前回は発展途上中の蒸気船の事を取り上げました。それに対してDOLにも登場している最速の帆船といえばクリッパー。 18世紀末になって蒸気船が本格的に登場して以後も数十年はその座は安泰でした。 では、その最速船の座が奪われ、貿易・連絡船の第一線から去っていった経緯を見てみたいと思います。


(蒸気だけでは走れない蒸気船)
当初登場した蒸気船は、帆船の補助推進機関としての役割しか与えられていませんでした。
まだまだ出力も安定性も低く、そのため入出港時のタグボートや、無風時の補助機関など限定的な使われ方に過ぎなかったのです。19世紀中頃までの蒸気船にマストと帆が付いたままなのはそうした理由からでした。

(遅すぎる航行性能)
19世紀前半までの蒸気船の速度は、せいぜい8~9ノットでした。
これに対してクリッパー船は、1854年に進水したライトニング号が最高速18ノットを記録。
このように微風でも5~6ノット・巡航で12~13ノットは楽に出る優れた帆走性能と、燃料が要らない経済性や積載余力の良さでまだまだ帆船優位の時代でした。

(まるで石炭輸送船)
蒸気機関の燃料は石炭です。当然、長距離航海には大量の石炭を必要とするわけですが、当初の蒸気船は燃焼効率と駆動効率が共に悪く、船倉目一杯に石炭を積んでもアフリカを廻って来れないほどペイロードの悪い船でした。これでは長距離航海どころか商船としての役目を成しませんから、中継地点に石炭補給港が築かれていきました。

(転機)
1869年、フランス人レセップスによる大工事の末、遂にスエズ運河が開通します。
但しこの地帯は年間を通してほぼ無風状態であったため、帆船は事実上航行が出来ませんでした。そうなると如何に遅く、航続距離の劣る蒸気船もこうなると俄然有利になってきます。また技術の進歩により蒸気船の速力・燃費も徐々に上がってきており、ケープを廻らなければならなかったクリッパー船は一気にそのアドバンテージを失ってゆきました。
更に経済的な側面として、多額の工事費によりスエズの出資者が売却した権益を手に入れたのがイギリスでした。インドに大きな権益を持つイギリスはこれを最大に活かすためスエズを占拠し輸送を強化します。こうして海上輸送の主力は徐々にケープ→スエズへと移ってゆくことになります。
それでもまだ1860年代の蒸気船の最高速はクリッパーと同等かそれ以下程度だったと思われます。クリッパーは航路上ハンデの少ないオーストラリア航路の羊毛輸送などではまだ現役で有り続けました。

(決定打)
19世紀末、革新的な技術の進歩がありました。 蒸気タービンの発明と実用化です。
これにより飛躍的な馬力の向上が実現し、ヨットに付けた実験では一気に34ノットの超高速を記録します。 こうして1万トン級以上の大型の客船・輸送船が登場するに至り、大量輸送に不向きなクリッパーは20世紀初頭には次第に姿を消してゆきました。
その後、フィンランド船主のグスタフ氏が帆船乗りと残存するクリッパー船を集めて大商船団を組織しますが第2次世界大戦後には解散し、現在では各国の練習艦や記念艦・一部の豪華船としてわずかながら登録されているといった状況です。


おわり。
  1. 2006/05/20(土) 08:50:58|
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