打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

蒼き狼の末裔たち その7

ヨーロッパ編-1

今回から、ヨーロッパ遠征の軍を起こすことを決めたモンゴルの動きについてみてみます。
まず、本拠地を出発したモンゴル軍の主力である重・軽騎兵の本隊はこの時5万程度だったと見られています。これに金国その他の徴募兵2万程度に工兵及び補給部隊が続きます。
スブタイの見立てではこの遠征計画は18年を見込んでいましたし、途中で徴兵を行って兵を補充し訓練するのはモンゴルの得意とするところですから最終目的地であるヨーロッパに到達するまでには強大化できると読んでいたのでしょう。ここらあたりの判断は、実際に先の遠征で東ヨーロッパの一部に入っている将兵もいますし隊商や聖職者などから情報も得ていたと思われます。とにかく、現在の感覚で合計10万程度の軍では少ないと思うかもしれませんが、13世紀当時のヨーロッパでこれに対抗できる軍を起こせる国はほとんどありませんでした。

バトゥ_ヨーロッパ01
(1237~40年頃のモンゴルの進路)

さて、中央アジアの北部に広がる草原地帯を長駆した騎馬軍団はいったんジュチ家の本拠もあるアラル海北部で休息した後で再びロシアへと向かい、その後は翼を広げるように軍を散開させ東ヨーロッパに襲い掛かります。
まず餌食となったのは、ロシアの北東部、ブルガールからヴォルガ川に掛かる草原地帯の諸部族でした。1237年の春シーズンまでには大体この地域の平定を終え、現地で徴兵を行って訓練を施すなどして自軍に組み入れたモンゴルの狼たちが次に狙うのは、当時ルーシと呼ばれていたロシア北部の諸公国、そして以前は南部で最大の勢力を誇っていたキエフ大公国でした。
北部のウラジミール公国などを征服したモンゴル軍は、途中ノブゴロド付近で湿地帯にはまるなどして結構苦労するのですが、その後はロシアの穀倉地帯で準備を整えて最初の目標であるキエフ大公国へと軍を南下させます。
この時ここ一帯にいた各部族は徴兵と略奪を恐れて西へと逃げるのですが、この中でも大所帯だったコマン族のうち約4万人はハンガリー方面へ無事逃げ込んだのでした。しかしこれが後にモンゴルとハンガリーの間の大問題となります。

ところで、キエフはこの当時には衰退しつつあったのですが、それでも南は黒海北岸から北は現在のキエフ一帯と、ほぼ現在のウクライナに相当する広い地域を治めていた大国でした。
南下したモンゴル軍は1239~40年に掛けてこのキエフ大公国に襲い掛かり、キエフ公ミハイルが早々にハンガリーへ逃げてしまった事もあってか、当時のロシア最大の都市だったキエフをあっさり攻略してしまいます。こうして黒海沿岸から東はモンゴルの勢力圏下に入り、東ヨーロッパの防波堤は激流をまともに受ける状態となってしまったのですね。

しかしまだ、ここまで事態が進んでいるにもかかわらず、この恐るべき集団の脅威についてちゃんと把握している西ヨーロッパの指導者層は全くいない状況でした。それどころか東ヨーロッパでさえ、事前に察知して防衛の準備に掛かっていたのはハンガリーのベーラ4世くらいで、ポーランドの諸公国などは防衛どころか住民への布告すら行っていない状態だったのです。
実際、この時のキリスト教世界は教皇をはじめとした聖職者と皇帝その他の諸侯との争いなど、自分たちの置かれた環境全体から見ればどうでもいいレベルの事に終始していたのですね。
そして1241年、東ヨーロッパに台風か洪水かとも思えるようなモンゴル軍の嵐が吹き荒れます。ヨーロッパ人にとっては希望が絶望に変わる忘れようのない年になってしまうのでした。


つづく。

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  1. 2007/07/24(火) 06:08:11|
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