打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

蒼き狼の末裔たち その25

長い長いシリーズになっちゃった『蒼き狼』もたぶんあと2~3回。

締めくくりとして、アイン・ジャールートの戦い以後の、イスラム・モンゴル・そしてキリスト教徒側の動きを追ってみます。本来これで実質ラストとする予定が、書き上げたら長すぎたので2~3分割する事にしました。

①マムルークの抗争
まずイスラム勢力の情勢から。
アイン・ジャールート戦の5日後には早くもダマスクスを攻略したマムルーク勢は、そのままアレッポはじめ北部シリアまでその勢力を広げてユーフラテス川南岸までほぼ制圧します。この戦いでの最大の功労者であるバイバルスはこの時アレッポの総督位を要求したといわれますが、内心では彼を警戒していたスルタン・クトゥズはこれを拒否します。こうしてバイバルスとクトゥズの確執が決定的になるかと思えた矢先、いち早く動いたのはバイバルスでした。カイロへの凱旋帰国の途中、バイバルスは少数の手勢でクトゥズの天幕を襲撃し、暗殺に及んだのでした。素早く軍を掌握し新スルタンとして立ったバイバルスはそのままカイロへ凱旋するのですが、これを迎える立場となった本国エジプトの人たちは後々までこの行為を忌み嫌ったとも言います。バイバルスとしてはこれ以上の業績を挙げる事で、暗殺による政権交代という自らの行為の後ろめたさを払拭するかのように、即位後も拡大路線とマムルーク朝の安定に向けて精力的に動いて行きます。
その動きはモンゴル、そしてまだ健在だったシリア沿岸部のキリスト教徒にとって大きな災厄をもたらす事になるのですが・・・。

②モンゴル本国
次にモンゴル勢のその後はというと、、、
まずモンケの死後、大ハーンの後継者に名乗りを上げたのは、モンケの次弟フビライと末弟のアリク・ブケでした。フビライは中国攻略のために前線に出ていると言う事でユーラシア大陸の東方では最大の軍事力を握る立場であり、そして残った兄弟の最年長者です。一方アリク・ブケはカラコルムに留まってモンゴル全体の政務と軍務の統制を引き受けていました。その性質はかなりの俊秀だったようで、本国にいて大クリルタイへの参加資格を持つ長老格や大豪族たちの信任はかなり厚いと言う人物でした。そして忘れてはいけない点としてモンゴルでは末子相続の伝統があるということも大きく影響するでしょう。
実際、チンギス・ハーンの息子4人のうち、末子のトゥルイは大遠征の期間を通じてモンゴル本国での政務と軍務の指揮、そして本国近くの領地を引き継いでいました。最終的にトゥルイ家がモンゴル王家の相続をしていけたのは、こうした実権を引き継いでいたからと考えるのは成り立つと思います。
この両者の争いは、共に独自にクリルタイを開いて大ハーンを宣言するという異常事態に発展するものの、1260年以降いち早く優勢に立ったフビライが1264年にアリクブケの降伏を受け入れる形で終息します。1271年には国号を『大元』と称しモンゴル本家としての道を進むのですが、同時にこの内乱を通じて中央アジアに割拠する他の王家は分離・自立への道を進む事にもなったのでした。特にアリクブケ陣営の一員で1266年頃から急速に力をつけ始めたオゴデイ家の生き残りであるハイドゥは、一時は中央アジアを制圧して大元よりも優勢かと思うほどの勢威を見せます。

③イル・ハン国の成立
一方、モンケの死を知ってシリアから撤収しタブリーズで様子を見ていた三男のフレグはというと、1260年の秋には早くも自立を決めてイルハン朝を建てます。
ところがこの行動に怒ったのは、意外にも北にいたキプチャク・ハン国の跡を継いだベルケでした。彼にしてみれば、フレグの征西軍への協力はクリルタイの決定でありモンゴル帝国全体の為であったのですから、その功績及び獲得した領地や財産は公平に分割されるべきものでした。これを結果としてフレグは自身の物として領地化したわけで、しかも遠征時にフレグの元へ送ったベルケの親族諸将が次々と謎の死を遂げたこともあり、キプチャク・ハン国とイル・ハン国の関係は急速に悪化して行きます。
更にややこしい事に、キプチャク・ハン国がアリクブケーハイドゥ支持に立ったのに対してフレグは兄のフビライ支持に回ったため、この西部方面での抗争は本国の代理戦争的な色あいも含んでいたのです。
そして、この抗争を利用したのがバイバルスだったのでした。



おしまい。
(続きはもう書けているのでまた明日更新します)


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  1. 2008/02/14(木) 20:09:28|
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