打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

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蒼き狼の末裔たち その27

最終回

⑥消滅
1264年以降、バイバルスはシリアの地中海沿岸に残るキリスト教徒の諸都市などへの攻撃に拍車をかけます。そして1266年には再びアッコンを攻撃、更にドイツ騎士団の拠点があったモンフォート城砦、そしてテンプル騎士団の拠点であった大要塞サフェドに到達します。バイバルスによる3度の猛攻撃にも耐えたサフェド要塞でしたが、バイバルスはここに詰めていたテンプル騎士団のシリア人とヨーロッパ人との分断を謀って開門させ、遂にバイバルスはシリア完全攻略への橋頭堡を得たのでした。
1268年、フレグの死去とアバカの即位に伴いイル・ハン国がやや混乱しているなか、バイバルスはシリアの地中海沿岸にわずかながら残っていたキリスト教国・都市をも次々と攻略します。まず小アジアの東南部の付け根にあたるキリキア地方の十字軍系諸都市を攻略。次に5月に入るとシリア沿岸のトリポリを攻撃目標としますが、トリポリ伯を兼ねていたアンティオキア公国のポエモン6世が防備を固めていたため、バイバルスは手薄とみたシリア北西部の古都アンティオキアを急襲します。アンティオキアは古代世界では地中海でも屈指の大都市であり、この時代ではアンティオキア公国が十字軍系の生き残りとして、一時はモンゴルに従属しつつもまだがんばっていました。5月18日、手薄なアンティオキアに攻め寄せたバイバルスは攻撃を開始。都市の住民は篭城するのですが、統率するものの無い守備隊が長く持つはずも無く、わずか4日でアンティオキアは占領されてしまいます。
その後のアンティオキアの運命は悲惨そのものでした。
バイバルスはアンティオキアの全住民を虐殺もしくは奴隷化し、市街を略奪の後これを徹底的に破壊して廃墟としてしまいます。こうして古都アンティオキアは滅亡というか地上から消滅し、歴史の表舞台からは完全に姿を消してしまったのでした。


⑦反攻計画の挫折
これら一連の攻撃によりシリアのキリスト教徒の拠点で残るのはアッコンなどわずかとなり、この事態を重く見た西ヨーロッパでは1266年以降十字軍の編成が本格化します。
フランス王・王弟シャルルダンジュー・イングランド王太子・ドイツ王などかなりのメンバーが予想されましたが結局実現したのはなぜかチュニスを攻めた第8回十字軍で、しかもここでフランス王ルイが死去してしまいます。その後アッコンへはエドワード1世とシャルルダンジューなど一部が向かったものの、もはやシリアでバイバルスに対抗するだけの力は残っていませんでした。


⑧終幕
この後もバイバルスは積極的な出兵と外交そして内政に取り組みます。
アンティオキアの悲劇に激怒していたイングランド王太子エドワード1世との戦闘、ビザンツ帝国との通商、シャルル・ダンジューとの協調路線の模索、カリフ一族の保護や駅伝制度の整備などによる国内の安定化などなど、彼一代でマムルーク朝は完全に軌道に乗ったのでした。惜しむらくはというべきか、寛大な姿勢がキリスト教徒からも高く評価されたサラディンと並んでイスラムの英雄とされるバイバルスなのですが、時折見せるその手段を選ばない冷酷な行動は評価が分かれる所のようですね。

一方バトゥ・モンケ・フビライ・フレグといった第三世代で黄金期を迎えたモンゴル帝国はというと、
その後は緩やかな連合体~抗争~地方割拠~細分化へと移行が進みます。
それぞれの国がかなりの力を誇っていたのは1300年頃までで、14世紀に入ると各国で滅亡・集散が相次いで、15世紀にヨーロッパで大航海時代と呼ばれる拡大期が始まるまでには大多数のハン国が姿を消していました。今後のDOLで内陸が実装されるなら黒海~カスピ海沿岸でその末裔が見られるかな?というくらいでしょうか。しかし彼らの行動はユーラシア大陸全域に大きな影響を残した事には変わりなく、キプチャク・ハン国にある程度の地位を与えられたモスクワ大公国が後にロシア帝国となるなど、東ヨーロッパ世界においてもまだまだ、というか現代においても政治・民族的な影響は色濃く残っています。

そして西ヨーロッパ世界では、この時の主役であったフランスを始め各国が急速に対外的な余力を失います。またシャルルダンジューが築きつつあった地中海帝国ともいうべき構想もその死によって瓦解し、シリアに残っていたイェルサレム王国も最後の砦アッコンが1291年に陥落し滅亡します。
ここに、西ヨーロッパ世界は東へ至る接点をまた一つ失う事となったのでした。
だけど、これが全く無益な結果だったとは言い切れないと思います。
あまり平和的でない面が強かったとは言え、オリエント世界との交流を多く持った事は、ヨーロッパ人の技術・政治・地理・文化・精神面などいろいろな方面で新しい発見と成長があったでしょう。モンゴル軍の中国人工兵隊が持っていた技術はそれこそヨーロッパ人の目から見たら革新的なものに映ったでしょう。また例えばフランス王が遠くモンゴルの本国まで諜報員を派遣したり外交交渉を行うなど、以前には考えられない事でしたから。そしてなにより、ヨーロッパはいつの間にかイングランドやドイツ・フランス王の軍を大量にしかも頻繁に輸送できるだけの資金および海運能力を、この地中海においては発揮する事が出来るようになっていたのでした。







(あとがき)
ところで、14世紀になって中央アジアの遊牧民族からはまだ最後の大物が登場してきます。
ティムールですね。
ただ、スケールで言ったらそれこそチンギス・ハーンくらいの強さを見せた彼でも、流石に『蒼き狼』のシリーズに加えていいのかは微妙すぎますね。というか『違うけど入れたい』くらいに欲求が強いのですが、あえてここは外します。

上天より命ありて生まれたる蒼き狼ありき。
その妻なる惨白き牝鹿ありき。
大いなる湖を渡りて来ぬ。
オノン河の源なるブルカン岳に営盤して生まれたるバタチカンありき。 (元朝秘史より)
  
最初から読み返していたらシリーズ冒頭のこの文を思い出して、
『あー、蒼き狼の血は引いてないよなぁ』 とw

さてこれで、記述としてはこのシリーズの最終回とします。
あともう一回だけ入れる可能性がありますが、これはもう遊びの部分で書きますので落差激しくなると思いますから。それにしても、約半年がかり・合計で29本と、いつのまにか全エントリ数の5%近くにもなってしまうとは昨年夏に書き始めた時には思ってもいませんでした。書いてる本人が面白かったから続けられたものの、こんなマニアックなテーマでも見捨てずに読んでいてくれた皆さん本当にありがとでした。
この後の歴史系シリーズは年初の予定通りに大航海時代前史として何かテーマを選ぶ事になると思いますが、まだ全然決まってません。なんかいいアイデアあったら提供してくださいとも思う・・。どっちにしろ決まるまではちょっと長編シリーズを書くのは先にしたいとも思っています。これだけ長編になると、集めたり読んだりした資料の量とかもうまとまったレポート書けるくらいになっちゃうんで、今ちょっとそれだけの時間が取れません。まあGWとか狙ってぼちぼち練っていくかなぁ・・。



おしまい。

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ありがとうございました(ペコリ

テーマ:大航海時代Online - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2008/02/16(土) 22:11:07|
  2. 蒼き狼の末裔たち
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<これはずるいと思う・・。 | ホーム | 蒼き狼の末裔たち その26>>

コメント

長期連載お疲れ様でした^^
興味深く読ませていただきました~
次回連載までしっかり充電してくださいませ
でわでわ^^ノシ
  1. 2008/02/17(日) 13:51:49 |
  2. URL |
  3. アーチャー. #-
  4. [ 編集]

"九龍争覇がOβ開始
異例の1週間後には正式サービス↓
http://www.4gamer.net/games/010/G001011/20080127005/"
  1. 2008/02/18(月) 14:12:49 |
  2. URL |
  3. - #-
  4. [ 編集]

アーチャー.さん>>
どもども、長い事見ていただいて恐縮です。

さすがに長すぎましたでしょうか、
書き上げて若干燃え尽き気味・・・。
MMOのブログで半年以上掛けて同一テーマ追いかけるってのはちょっと無謀でしたw
次回はもうちょっと細切れにしたほうがいいかもですね。
  1. 2008/02/18(月) 16:32:07 |
  2. URL |
  3. ハミルカル #-
  4. [ 編集]

フラミィさん>>
リンクはフリーですのでお気軽にどうぞです。
貼っていただければこちらからもぴしっとリンクいたしますよー。
※拍手コメントに対して答える方法がないのでここのコメントにて失礼しました。
  1. 2008/02/22(金) 10:51:45 |
  2. URL |
  3. ハミルカル #-
  4. [ 編集]

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