打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

草原の興亡 その20

大宛の天馬 その1

このシリーズも書き始めてもう20回目。
シリーズもの記事としては最初に書いた打倒ローマ編が11回、
前回のモンゴル編が続編を含めても29回だった事を考えると、
今シリーズどう考えても最長となりそう・・・。
だって最終的には19世紀くらいまで行くはずなのに、まだ紀元前とか書いてるんですからw
むしろテーマがでかすぎるって話もあるんだけど・・・。
つう事で、書き手としてはやや巻きを入れたい匈奴編、
いよいよ舞台は西域に移って行きます。



(西へ)
紀元前130~120年代頃の正面衝突によって大きく疲弊した匈奴と漢の抗争。
開戦から10数年を経て漢側が優勢となりつつあった事で匈奴がやや北西へ移動した為、
その焦点は当初のモンゴル高原~黄河流域での争いから次第に西側へと移ってゆきました。
特に黄河の西側からタリム盆地の入り口へと繋がる東西に延びた狭い回廊地帯、
いわゆる 『河西回廊』 での攻防が紀元前110~90年代には焦点となっていたのです。

というのもこの回廊地帯、
南はチベット高原の外縁にある祁連山脈、
北はゴビ砂漠と合黎山などに挟まれた長さ900km・幅わずか数km~数10km以下の平地帯で、
チベット山麓を水源とした貴重なオアシス都市郡が点在する地域でもあり、
当然ながら古代より東西の交易における要衝となっていたのですね。

背景としてはこれより前の紀元前3~2世紀頃には、既にこの回廊から更に西にあるタクラマカン砂漠の南北外縁にあるオアシス都市を伝ってパミール高原を越え、西域へと至る通商路が成立していました。更に紀元後にはタクラマカン砂漠の北にある天山山脈の北側の草原を通って同じく西域に至るルートも成立して行きます。これらのルートが、西域南道・天山南路、そして天山北路と呼ばれる、シルクロードの中間で分岐する3つのルートの原型だったのですね。

そして、中国からは河西回廊を通らないと西域に至るこれらのルートには行けず、
匈奴を孤立させるために西域諸国を味方に引き入れたかった当時の漢にとっては、
どうしてもここを抑える必要があったのでした。
同時に匈奴にとってもここを漢に渡すという事は
ある程度従属下においていた西域諸国への押さえが利かなくなる事を意味しており、
通商面と政治面の両方で生命線に近いものがあったのです。
(ただし匈奴は回廊の更に北からのルートで西に行く事はできた)

中央アジア図BC-2-02

この地域を地図で見るとこんな感じですね。
ほんと狭い回廊になっているのがわかります。
南が山脈で北が砂漠と山岳、
この回廊の中心に要塞を築いたらとか・・、なんか別のものを想像しそうですらあるw

西から敦煌・酒泉・張掖・武威(後の涼州)。
匈奴との勢力争いに勝利した結果武帝が設置したこの河西回廊4郡は、
その地政学的な重要性から後世においても様々な興亡が見られます。
例えば、11~13世紀になるとこの回廊地帯に羌族の部族であるタングート族が興した西夏が出現します。
ここを舞台に故・井上靖先生が書いた 『敦煌』 は今更紹介するまでも無いくらいのベストセラーでしたよね。
後にこの西夏が金や北宋、そしてモンゴルと渡り合う事になる訳ですが、これはまあ別の機会に。

まあそんなこんなで、
この回廊に中国の王朝が初めて勢力を伸ばしたのが実に漢の武帝の時代だったのでした。
紀元前110年代より、ここに大規模な入植と防衛施設が建設され始めます。
かつて張騫が10数年も抑留されてようやくたどり着けたほどはるか彼方だった西域へ、
漢はその橋頭堡を築きつつあったのでした。
そして紀元前115年には、かつて西域に派遣された張騫自身の献策により、
烏孫国との同盟を目的とした使節が送られます。
この時の使節の代表には再び張騫が指名されたのでした。
そしてこれの答礼として訪問してきた烏孫の使者との交流を通じて、
紀元前105年には漢の公主が烏孫の王のもとへ嫁いで行くことになります。
またこの頃には、
張騫が更に西の諸国へ派遣していた副使たちが続々と答礼の使節を伴って帰国しており、
これら中央アジアのほとんどの国々とも漢は国交を結ぶ事に成功していました。

そして紀元前104年、
ここで初めて武帝は西域へ向けた大規模な軍を編成します。
その目標はパミールを越えた先にあるフェルガナ盆地の大宛。
名馬の産地として知られたここの良質な馬をどうしても手に入れたかった武帝が、
まだ漢の勢威が完全に及んでいないこの地へ遂に出兵を決意したのでした。



おしまい。

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  1. 2008/08/19(火) 07:37:38|
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