打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

エンリケ物語 その15

あるヴェネツィア商人の記録


スカウト
1454年、エンリケに残された時間はあと数年に迫っていました。
そしてこの年、ポルトガル南部のアルガルヴェにいたエンリケの元を、
あるヴェネツィア商人の若者が訪ねてきます。
この男の名はアルヴィーゼ・カダモスト。
当時まだ22歳で、フランドル行きの商船に乗ってサン・ヴィセンテ岬の近くで停泊していたところを、エンリケの家臣のアントン・ゴンサルヴェス(第10回でキャラヴェル船長として登場した人)のスカウトを受けてエンリケのアフリカ行き船に乗る事にしたのでした。このカダモストが、アズララの 『ギネー発見征服誌』 と共に当時の貴重な資料となる 『航海の記録』 を残す事になります。

又聞きの記録であるアズララの書は資料としては膨大で非常に優れていたものの、現場の雰囲気などには乏しかった一方で、カダモストの航海記録は自分で体験したものがかなり反映されていて非常に活き活きとした表現に溢れており、分量こそやや少ないですが読む者を楽しませる面白い内容になっています。


カダモストの航海
さて、ゴンサルヴェスのスカウトを受けてエンリケに面会したカダモストは、船と商品を自前で調達した航海で得た利益の1/4をエンリケに収める(商品だけ積むものは利益の1/2を収める)条件に承知し、1455年春、ヴィセンテ・ディアスの船に乗ってマディラに向かいます。この時ディアスの船に積まれていたのは毛織物・絹織物・そして馬でした。恐らくエンリケは、これらの商品と交換することで、商才豊かなヴェネツィア人が何か面白い商材を見つけてこないか期待していたらしいのですね。

予定地であるマディラ諸島のポルト・サント島に着いたカダモストは小麦・大麦・竜血(医薬品となる樹脂)を積む際に、この地で代官を務めるマディラ発見者の1人であるペレストレロと面会します。ちなみに、このペレストレロの娘か孫に当たる女性が、後にクリストバル・コロン、つまりコロンブスの妻となります。コロンは一時期マディラのポルト・サント島に住んでいたのですね。

翌1456年、カダモストは再びアフリカを南下します。
マディラ諸島を経由したカダモストの船はその後カナリア諸島→ブランコ岬と南下してゆき、最初の目的地アルギンに到着します。既にこの時点でアルギン島にはエンリケの命によって城塞と商館が建設されており、交易・探検の一大拠点として急速に発展しつつ有りました。
ここでカダモストは、ポルトガル人がアフリカ内陸の現地人と既に接触を始め、小麦や織物・馬を提供する代わりに金の延べ棒や敵対するアフリカ人を奴隷として捕まえさせ、取引する事に成功しているのを知ります。特に馬はアフリカの黒人世界にとって希少品だった様で、馬1頭が奴隷10~15人に相当したと言います。
この辺はさすがにヴェネツィア商人であるカダモスト、交易に関する部分がかなり詳細に残しています。例えばアルギンからポルトガル商人が内陸の町ワダンまで陸路で行き、そこから現地アフリカ商人が隊商ルートを通って岩塩の町タガーザや金や宝石の集積するトンブクトゥやガオから運んでくる物資との交易を行っている様子など、現地に行っている者の生の感想が活き活きと描かれています。
中には現地の黒人がヨーロッパから来た白人の肌の色を見て 『何か塗っているのではないか?』 と疑い、白人の腕を取って指でこすって見たら地肌と知って驚いたなんて逸話も残っていて非常に面白いものが有りますよ。


さて、その後再び南への航海に出たカダモストの船は途中ヴェルデ岬の沖にいくつかの島がある事を確認し、まだ未発見だった南西側の群島も発見します。これが現在カーボヴェルデを中核とするヴェルデ諸島でした。
このヴェルデ諸島、実はカナリア諸島から沿岸沿いに流れる海流(カナリア海流)の終着点であり、同時にすぐ沖からはるか西の小アンティル諸島に向かって流れる強い海流(北赤道海流)の始点でもありました。
このカナリア諸島→ヴェルデ諸島→アンティル諸島→北米東岸→ヨーロッパ西岸という北大西洋における海流のサイクルが確認されてくると、ヴェルデ諸島は新大陸へ向かう船にとっての最終補給地として再び登場してくる事になります。
その後、16世紀になるとカーボヴェルデはポルトガルの重要港となりますが、1585年にあのフランシス・ドレイクの攻撃により壊滅的な被害を受けて以降、その地位を徐々に失ってゆきます。


こうして、最終的にカダモストによる1455~1456年の2期に渡る航海では、ガンビア川とその南にあるギニアのビジャゴース諸島まで到達します。ここからシエラレオネまではあと5~600km、ポルトガルによる大航海時代初期の探検事業はいよいよ海岸線も南から南東方向に延び、多くの河川が入り組むギニア高地の沿岸まで来ていました。


いよいよ最終回へ。
それにしても、
一ヶ月で全部書き切る事になるとは思いもしなかったなぁ・・・。



おしまい。


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テーマ:大航海時代Online - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2008/11/29(土) 15:03:09|
  2. エンリケ物語
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

サント・ポルト島の記述の後、
翌1556となっております
お気づきになりましたならば修正をば
  1. 2008/12/01(月) 00:29:13 |
  2. URL |
  3. 元校正屋 #-
  4. [ 編集]

元校正屋のひと>>
修正しました、ご指摘ありがとうございます。
この1400と1500の年代間違いは何回となくやってて他にもこっそり直してたりして・・・。
  1. 2008/12/01(月) 06:22:46 |
  2. URL |
  3. ハミルカル #-
  4. [ 編集]

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