打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

イスパニア物語 その19

カスティーリャの危機 後編

昨日今日と分割掲載となった、大航海時代直前期のカスティーリャ王国を巡る話の続きです。

ジブラルタル包囲中にペストで急死したアルフォンソ11世の後を継いだのはペドロ1世(1350~1369)。
即位したペドロは継承権を持つ親族・有力貴族の弾圧や直属の文官の大量登用などの王権強化策を取るのですが、これは都市の有力者や貴族たちの反発を招いてしまいます。1366年には遂に先王の長男ながら庶子であったためにトラスタマラ伯家に出されていた異母兄エンリケ・デ・トラスタマラが多くのカスティーリャ貴族を結集して蜂起し、貴族らの反発は内戦に発展してしまいます。第一次カスティーリャ継承戦争ってやつですね。


(デュ・ゲクラン登場)
そしてこの時エンリケ・デ・トラスタマラが手を結んだのが、一人はアラゴン王ペドロ4世、そしてもう一人はこの頃イングランドとの百年戦争期に突入していたフランス王シャルル5世だったのでした。エンリケの要請に応じた『賢王』シャルル5世は税制改正・中央軍の創設など後にフランスが中央集権化してゆく先鞭を付けた英主で、この時シャルルは自分が持つ最強の武将を送り込んできます。(2年ほど前に人物伝で書いてますのでそちらをご参考に)
それが、まだフランス元帥になる前のベルトラン・デュ・ゲクラン。
当時フランスとイングランドはブルターニュ継承戦争が終結した関係で小康状態に入っており、デュ・ゲクランは戦場がなくなったため国内で失職した傭兵たちを率いてイベリア半島に乗り込んできたのですね。このゲクランを実質の指揮官とするトラスタマラ軍はモンペリエに集結したあと一気にカスティーリャの南半分を制圧して、ペドロを一旦は国外に去らせる事に成功したのでした。


(黒太子とペドロ1世)
一方これに対してペドロも動きます。
いったん国外に逃げたペドロが味方に引き入れたのはグラナダ王、そしてフランスと戦っているイングランドでした。しかもこの時イングランドは百年戦争の前半における主役の一人とも言うべき黒太子エドワード、つまり 『ブラックプリンス』 自身が乗り出してきていました。こうして、カスティーリャの異母兄弟による内戦は、百年戦争の主役たちとも連動するより大きな戦いへと巻き込まれる形になって行った事になりますね。

さてこの両者の戦い、平地での遭遇戦では無類の強さを見せた長弓兵を擁するイングランド・ペドロ陣営に分があり、一方で元々傭兵隊長出身のデュ・ゲクランによるゲリラ戦術で小規模戦闘や拠点攻略戦ではフランス・トラスタマラ陣営有利に進むといった状況。1367年には平地での会戦に持ち込んだペドロがナヘラの戦いでエンリケを破ってデュ・ゲクラン自身を捕虜に取るという大勝を得ますが、その後エドワード黒太子が撤退してしまった為に(赤痢かペストが発病していたとも云われます)戦局はエンリケ優位へと大きく傾いてゆきます。そして開戦から3年後の1369年、追い詰められたペドロがモンティエールの戦いで戦死した事で終止符が打たれ、ここにトラスタマラ王朝が始まる事になったのでした。



(トラスタマラ王朝と新貴族)
こうして即位したエンリケ2世、内戦で自派に属していた貴族たちを優遇しますが、これは彼が有力貴族によって擁立された王である事の裏返しでもあり、カスティーリャの王権はトラスタマラ王朝期に大きく揺らいでいたと見る事も出来るでしょう。視点を変えればペドロの王権強化路線に対するクーデターと見ることもできますよね。

ただ、エンリケ2世は彼らに対抗させるため、同時に参加していた中下級の騎士階級からも見込みの有る者を引き上げて新貴族とし、旧貴族に対抗する勢力へと育成する政策を取ります。この、エンリケ2世により引き上げられた中下級騎士たちの中で特に急成長してくる者の中に、実はサルミエント家の名前があったりするのですが、いまリスボンの王宮前にでかい屋敷を構えているあのサルミエント商会と関係あるかはちょっと不明。(そもそもディエゴは架空の人物でしょうし)

また、内戦時にフランス王家の支援を受けたことからトラスタマラ王朝は以後フランス王家寄りの立場を取るようになり、その後再開した百年戦争においてもカスティーリャは重要な役割を担うようになります。例えば戦争の後半以降たびたびカスティーリャの海軍がドーヴァー海峡方面に遠征し、イングランド海軍を破ったり周辺を封鎖してイングランド本土からビスケー湾への輸送を妨害していますが、これもその協力体制の現れでしょう。


スペイン地図13~1400年代
※百年戦争期~大航海時代直前のイベリア周辺図。
ピレネー山脈の北西がイングランドに制圧されている形に。


さてここまで見てきたように、貴族層の支持によって成立したトラスタマラ朝は、その経緯からも不安定さを抱えていました。そして、エンリケ2世以後のカスティーリャは婚姻政策によって周辺諸国と深く関わりを持って来る様になり、これがまた混迷の度合いを深める要因となってきますが、続きは次回に。
いよいよ大航海時代の初期へと直接繋がる話を書く事になると思います。
というか最終回はエンリケ物語の第1~2話を逆の立場で書く話になるので、
事前に読んでおいて頂けると話が早いのですw



おしまい。


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テーマ:大航海時代Online - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2009/02/19(木) 23:32:07|
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