打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

リアル造船業界は・・

運命の前日


PS3版が実装されて2日目。
祝日という事もありますがリスボン前など結構人の出が多いですね。思ってる以上に増えてるなーと思う。このあとゴールデンウィークが本格化してきますから更に賑わってくるでしょうから、5月に掛けてかなりの活況を呈してくるんじゃないでしょうか。


さて今回は、リアル造船に関するお話を。いまマニラに篭って造船修行をやっているところでもあり、最近出た造船業界に関するレポートが面白かったのでその要約と他資料も交えつつちょっとご紹介してみます。まずは21世紀に入ってからの、東アジア3国のだいたいの建造能力の推移から。


【2001~2003年頃の建造量】
1.日本 約1200万トン
2.韓国 約1200万トン
3.中国 約 300万トン


【2008年の建造量】
1.韓国 約2600万トン
2.日本 約1900万トン
3.中国 約1400万トン


【2009年の建造能力(予測)】
1.韓国 約4000万トン
2.中国 約2500~3000万トン
3.日本 約2000万トン


【2011年の建造能力(予測)】
1.韓国 約5000万トン
2.中国 約4000万トン
3.日本 約2000万トン



1990年代までは日本が建造能力では世界1位、韓国が肉薄して中国はまだまだといった所だったのが、2000年代初頭に韓国が日本と同等水準まで能力を引き上げ、3年ほど前から日本を突き放して今では大きく突出した1位となっているんですね。それから2006年以降の中国の、驚異的とも思える建造能力の強化も目立つ所。計画通りなら中国も3000万トンを越える建造能力を持つはずという予測もあり、その伸びはちょっと読めないくらい。
いっぽう日本はというと、昨年まで順調に設備投資を行って建造能力を伸ばしてはいますが、年率7~8%程度と2007年までの好景気の割にはそれほど大幅な拡張を行っていません。
更に細かく造船所別の建造能力で見ると、2006年の統計では韓国が1位現代、2位サムスン、3位大宇で、以下7位まで韓国の造船所が独占し、8・9位が中国、日本では10位ユニバーサル造船、11位三菱重工、12位IHIとなってます。


それにしても、わずか数年でこの変動ぶりはすごいですね。
これほどにまで韓国・中国が設備投資を行っているのにはいくつか理由があります。
まず2000年代中盤~後半に掛けての世界的な好景気で大型船の需要そのものがかなり伸びていた事。更には海運業界全体で世界的な切り替え期に当たっている事。
船の構造基準が2~3年前に発効した海洋汚染防止条約などの条約・国際規則の改正に伴って新構造基準に変わって来てるため、数年前から各国で新型船への切り替えが始まっており、その関係で 『造船ブーム』 とするくらいに通常の償還サイクルより早い一大更新が行われていました。ただまあ、船が大型化すると言っても設計上はスエズ運河の水深(16m)以内に収まるようになるのでこの辺は限界あるのでしょうが。
まあそんなわけで、上記したように東アジア3カ国での建造能力の合計は2009年現在の時点で約8000~9000万トン、2年後には11000万トンにまで膨れ上がっていく事が予想されています。急激な建造能力の拡張はまあ計画時点ではそれに見合う需要があると見込んでいたのでしょう。特に韓国は超大型コンテナ船などでは圧倒的に強く、価格競争力もあるので行けると見たのでしょう。


(急転)
しかし、昨年秋から一気に進行した不況により、事態は一変しつつあると言うのですね。特に2009年に入ってからは大型船の発注がほとんどゼロに近い所にまで落込んでいるとの事。これもまあ極端な落ち込みとは思いますが、実際動かないのですからその先を見越しての発注などする気にならないでしょう。
もともと世界の海で就航している船の総トン数は約8~9億トン程度、これが20年前後で更新されてゆくとしたら1年単位では4000~4500万トンくらいで、これが平時における世界全体の建造量となるでしょう。その一方で建造能力は今後その2~3倍に達するというのですから、さすがに供給過剰としか言いようがありません。世界中で新型船への切り替えが進むとしても、限界ありますよね。年間の受注量の2~3倍もの建造能力を抱え、造船業界は造船ブームが去った後、いったい今後どうなるのでしょうか・・。


一方、各国でその置かれた状況はやや異なっています。
まず日本
日本は好況時にも極端な設備拡張を行わず、更新が主体で全体としてそれほど建造能力を上げていません。結果として物量的には韓国に大きく引き離される事にはなっています。それから日本船は韓国・中国船よりもやや割高で、受注の80%は国内からの発注で確保しています。これはまあGDPで日本は韓国の約5倍、中国の1.3倍ほどあるのですから国内受注では有利と言って良いでしょう。
結果、現在の極端な世界的不況にあってもだいたい各社とも2013年くらいまでの受注残を抱えており、世界の主要造船国では将来的に造船不況が続いてもまだ耐えられるほうだと思われます。ただ、先日老舗の造船会社が資金繰りの問題で一時操業停止に陥ったのは記憶に新しいところで、中小規模の会社では整理が進むことは考えられるかもしれません。大手でもJFE系のユニバーサルとIHIが統合する話もありますから、高コスト体質の改善や技術力の強化を図るべく今後他にも業界の再編が進む事も予想されます。韓国・中国と量的に水をあけられたときに規模の勝負でやられる可能性はあるので全然楽観視出来ませんね。
あとはまあ、為替の問題で、少ないパイを取り合う受注競争となった時に現在のような円高水準ではまともに戦えないだろうという不安はありますよね。



次に韓国
韓国は世界最大の造船国であり、上位3社がそのまま世界のTOP3でもあります。また付加価値の高い特殊船にも強く、技術的には日本以上のものがあります。しかし韓国の造船会社の受注は95%が海外からのもので、国内にはその建造能力を支えるだけの産業・海運は育っていません。ただし荷受けの能力だけで言ったら釜山などは東アジア1の巨大港に成長してますから面白い所。受注残は1.3億トンと日本の2倍ほど抱えており、同じく2013年くらいまではフル回転となりそう。為替の面では通貨が危機な半面、異常にウォンが安い結果値引きする余地が残されており、価格競争では優位に立っているともいえます。ウォンがそれまで持てばの話ですが・・・。
韓国のアキレス腱はやはりその過剰設備で、5000万トン級の建造能力を支えるだけの受注が2013年以降も確保されるかというとさすがにちょっと不可能な気がします。で、仮に造船不況→人員が余剰となった時に労使紛争が避けられないだろうというのがレポートのまとめとして提示されています。TOP3社の競争が激しくて能力削減で協調体制が取れるか疑問というのも不安要素。あとまあ根本的な問題として通貨を含めた経済情勢が受注残の終わる2013年あたりでどうなってるのかさっぱり読めず、これが発注する側にも影響を及ぼす事も予想されますね。


最後に中国
急成長してきた中国の造船業界も、内実では一部の巨大造船所を除くと中小の造船所が1000以上も乱立する戦国期のような状態で、これからまだまだ淘汰・再編が続く発展途上というところ。中小主体ですから作る船も中・小型船が多く、受注の20~30%は国内で取っているのは中国の強みと言えそうです。また建造コストは日韓の造船所と比較したら圧倒的に安く、日本からも海外進出先に中国を選んだ造船所もあります。受注残も約4000隻・1.3億トンと韓国に匹敵しているのは強いですね。
あとはまあ、一部の大手造船所は政府の支援を受けており、将来的には大型船の受注はここに集中してくる事になりそう。海運の面でも上海が釜山に迫る巨大港として育って来てますから市場・コスト・流通の各面で中国の造船業界はかなり高い将来性を持っているんじゃないでしょうか。
課題としては、技術開発の遅れ。どうしても大型船は韓国に取られるのが実情で、自国以外の受注をどれだけ取れるかが今後の造船不況を生き残る指針になってくる気がします。それと、現在の急激な受注の落ち込みで設備投資と建造そのものも一時ストップしている動きが一部で出ているようですね。海外からの発注に対して契約の履行が中小規模の造船所で完遂できるのか、財務体質の脆弱さが中国の不安要素と言えそう。



おしまい。

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  1. 2009/04/29(水) 20:11:13|
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