打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

200年前のダービー

優駿の系譜


今日は東京優駿、通称日本ダービーの開催日。
あっちの世界ではある意味1年間の締め括りの日なのでちょっと久々に競馬ネタでも書いてみよう。といっても今年の勝ち馬予想はどうのって話ではここのテーマとしては微妙だし、私にあんまり予想能力あるわけでもないのでここは歴史ネタで。

イギリスで本家となるThe Derby Stakesが始まるのは1780年。
フランス革命の起こる9年前にあたるこの第1回の勝ち馬は、当時のジョッキークラブ会長だったバンバリー卿の持ち馬ダイオメド。
ダイオメドはダービー以降はそれほどの活躍が出来ず、ヨーロッパで種牡馬となっても成績は上がらなかった為に数年してアメリカに輸出され、けっこうあっちこっち転々とするのですが、後に直系の子孫から偉大なレキシントンを輩出して一時期はアメリカの馬産に大きな影響を残しています。レキシントンの直系は確か今ではもう絶えてしまっていますが、母系も含めた血統表の中には確実に残っており、日本に入ってきたアメリカ系の馬ならかなりの馬の中にダイオメドの名が見られると思います。って、ここまで全く資料見ないでも書けるのはなんでだろ・・w

さて、1780年に始まったと言う事は今年で230年目。
では100年前、200年前の本家ダービー・ステークスの勝ち馬はどうだったでしょう。


1809年のダービー馬
Pope(Waxy Pope)
ローマ教皇を意味するこの馬は第3代グラフトン公の持ち馬で、公爵は翌年もWhaleboneでダービー勝ち馬のオーナーとなっています。ちなみにこのWhaleboneの3代父にはエクリプスがおり、この馬を通じてエクリプス系は現在の大繁栄を築いていますから非常に重要な一頭でしょう。つうかこの馬いなかったら現在のサラブレッドは100%違う血統構成になってます。
いっぽうその前年、今からちょうど200年前の1809年に勝ったPopeという馬、血統表を探して見ると、父Waxy、父父Pot8o's、父父父Eclipse、母Prunella、母父Highflyerという構成。母Prunellaはさっき出たWhaleboneの祖母ですから両馬は叔父甥の関係になります。
それからクロス(インブリード)を見るとHerodの3×3、Snapの4×3、Godolphin Arabianの5×5×5など、まだサラブレッドが種として固定して間もない時代だけに、優秀な種牡馬はかなり濃いクロスが入ってますね。1809年というとゼネラル・スタッドブックの第一巻が出てまだ16年、この時代にダービー狙ってくるような馬は先祖に歴史に残る馬がゴロゴロ出て来るので、なんかもう5代血統表がキラキラして見えるw
それから時代的には、1809年と言うとナポレオン戦争期の真っ只中。
トラファルガル海戦からは4年が経っており、ほぼヨーロッパを制してたナポレオンに対して幾度めかの対仏大同盟が成立して再び戦火が大陸を覆うといった時期になるでしょうか。戦列艦とフリゲートなどの帆船がまだまだ海軍の主力だった頃が、この200年前のダービーが行われていた時代という事になりますね。


MINORU
MINORU 1906 IRE

1909年のダービー馬
Miroru
時のイギリス国王エドワード7世がこのダービー馬のオーナーでした。
母はヴィクトリア女王、ひ孫に現女王エリザベス2世と繋がるお人ですが、英国王室は代々大馬主・馬産家でもあり、長くヴィクトリア女王の王太子だったエドワード7世も若い頃から馬産にはけっこう熱を入れていたようです。
さてこのMinoru、アイルランドにあった王室の牧場で生まれたあと、2~3歳時に掛けて戦績は13戦7勝、2着2回3着2回とかなり安定した成績を残しており、勝ち鞍も英ダービーの前に英2000ギニーも制して2冠馬となっています。さらに2歳時のジュライS、コヴェントリーSと早い時期から大きいところを取っており、3歳春になると上記クラシック2冠のあとサセックス賞にセント・ジェームス・パレスSなどのマイルG1と連勝、勝った7勝のうちG1が4勝、G2が2勝、G3が1勝と1909年の最強馬として活躍し、この馬のおかげで父Cylleneはリーディングサイヤーになってます。
血統的には父Cyllene、3代父ベンドア、5大父ストックウェルで、母父も同じストックウェルの父系ですから同系配合になってますね。目ぼしい所だと母母父にガロピン、母母母父にスターリングとニューミンスターなど、ダービーやセントレジャーを取ってる馬が母系にふんだんに入っており、この馬がマイル戦で残した実績は気性的なものだったのかなという気もします。実際、Minoruの血脈は有名どころだとダービー伯爵の生産したハイペリオンの母系に強く影響していますから、底力を伝える部分はあったのでしょう。あとノーザンダンサー系の馬なら確実にMinoruが血統表の中に入ってますね。
1909年は日本だと明治42年、この2年前に三菱財閥がイギリスの名門牧場が閉鎖した情報をキャッチして有力牝馬20数頭を輸入するなど、ようやく一流の血脈が日本にも入ってきた頃。このとき輸入したビューチフルドリーマー、フローリスカップ、アストニシメントなどは今でもG1馬を量産し続けており、一昨年牝馬でダービーを勝ったウォッカもまたフロリースカップの母系から出ているのは以前書きましたね。



そして2009年、
遠く離れた日本における2009年のダービーまであと10数分、
いったいどの馬の子孫が勝つのでしょう。
3歳馬が超不良馬場で57kg背負って2400m戦、これはきつい。
ほんとうに底力の勝負になりそう。


おしまい。


FC2ランキング02
 
↑ぽちっと。

テーマ:大航海時代Online - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2009/05/31(日) 15:28:19|
  2. 雑学
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<AGPはまだ終わらんよ! | ホーム | オスマン家の肖像 その3>>

コメント

ダービーで印象に残る古代の馬といえば・・・、
エイムウェル!
その親、スペクテイターもかなりの強豪だったらしい・・。
オルコックアラビアン系は消え去ったけど、ダービー馬エイムウェルは永遠に記録にのこる・・感慨深い馬デス。
  1. 2009/05/31(日) 19:58:29 |
  2. URL |
  3. めけ #-
  4. [ 編集]

めけさん>>
いま残ってる三大始祖以外の絶滅した父系の名が出てくるとかやたらマニアなコメントですが、確かに18世紀にはまだいくつか父系が残ってたんですよね。
しかもこれらの父系が結構な影響を与えており、例えば第一回ダービー馬のダイオメドは母の父がスペクテイターだし、現在の芦毛馬(成長すると白っぽくなる馬)の形質はたどっていくとオルコックアラビアンに行き着くとも言われています。(芦毛は劣性遺伝子で、芦毛は芦毛が発現した馬からしか生まれないので祖先を辿るのは分かり易いらしい)

まあ、、父系だけを辿るのが必ずしも正しい捉え方とも思えない一方で、絶滅するのもまた寂しいのは確か。だんだんエクリプス一大始祖となりつつある状況を巻き返すヘロドかマッチェムの救世主が出ないものかと期待してます。
個人的にはトウカイテイオー(バイアリーターク/ヘロド系)の血を継ぐ仔が出ないかまだまだ期待してますが、さすがに厳しいかも・・。
  1. 2009/06/01(月) 07:55:15 |
  2. URL |
  3. ハミルカル #-
  4. [ 編集]

まさかこのワンツーとはw

ミノル:
生産者ウィリアム・ホールウォーカー大佐は占星術でこの馬がダービーを勝つことを知り、王家にはたらきかけて王の名義にしたんですよね。え、それって名義貸しゴホゴホ
実際ダービーでの勝ちっぷりは、本命サーマーティンが直線で転倒、後のセントレジャー馬バヤルドがそれを交わそうと手間取るうちに抜け出たもの。強さというよりは神がかった偶然のたまものですし・・・。
ちなみに馬名は明治時代のアスリート藤井実からとったものだという説がありますが、実際には王室の庭師の名前をとったものだそうですw

イギリス海軍では戦時中24型掃海艇をレースホース級と称して競走馬の名前をつけてますが、超名馬たちに混じってミノルもこれに名を連ねていますねw
  1. 2009/06/02(火) 14:11:39 |
  2. URL |
  3. ポル冒険軍人 #yh.SW7OY
  4. [ 編集]

ポル冒険軍人さん>>
なんかだんだんおっそろしくマニアックな話になってきてるような・・。
さて、ウィリアム・ホール・ウォーカー(後のウェバートリー卿)の話となると、まず占星術に基づく相馬と配合の話が前面に出てきてなんだか不思議な大生産者、って流れになるのでしょう。
一方でホールウォーカー氏は実際には緻密なクロスの積み重ねで優秀な母系を作る(優秀な仔を出す牝系の固定・改良)ことで偉大な業績を挙げた人でもあり、この人が生産した馬たちは特に二代母としては恐らくサラブレッドの生産の歴史で最高の成績を残しましたよね。またこの配合理論に一部影響を受けてさらに大規模な生産を展開したのがホール・ウォーカーのすぐ近くで牧場を開いていたアガ・カーン殿下だったりしますから、その影響力たるや計り知れないものが・・。
まあその辺はいずれ歴史ネタで書くとして、とりあえずホール・ウォーカーの代表的な生産馬にセントレジャーを勝ったNight Hawk ってのがいたことでDOL能登的には締めとしますね^^
  1. 2009/06/07(日) 13:29:22 |
  2. URL |
  3. ハミルカル #-
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://hamilcar.blog64.fc2.com/tb.php/809-03c9bf63
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

このブログはリンクフリーです。

ハミルカル・バルカ/メルカルト

Author:ハミルカル・バルカ/メルカルト
サーバー:Eos
所属  :イスパ
商会  :たまごのしろ/世界の船窓から
Twitter :hamilcar_notos

FC2カウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
オンラインゲーム
348位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
大航海時代オンライン
11位
アクセスランキングを見る>>

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

最近のトラックバック

ブログ内検索

RSSフィード

RSSリンクの表示

著作権について

大航海時代 Online』に関わる著作権、その他一切の知的財産権は、 株式会社コーエーテクモゲームスに帰属します。 このホームページに掲載している『大航海時代 Online』の画像は、 『大航海時代 Online』公式サイトにおいて使用許諾が明示されているもの、もしくは『大航海時代 Online』の有効なアカウントを所有しているユーザーが株式会社コーエーテクモゲームスから使用許諾を受けたものです。