打倒ローマは一日にして成らず

大航海時代Onlineでカルタゴ復興に燃える元将軍の記録。

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オスマン家の肖像 その5

家業から国家への成長

興隆期のオスマン家を見るシリーズの5回目。
前回から3代ムラト1世の時代に入っていますが、今回はちょっとその背景的な部分を見てゆこうと思います。
実はこのムラト1世の時代に、オスマンはその支配体制と組織の構築といった基礎となる部分の多くが形となって現れてきます。ムラト1世の治世で表に現れる部分として、確かにバルカン方面への進出と遷都、それから周辺国との戦闘に勝利した事でほぼこの地域の覇権を確立した事に目を向けがちになるでしょう。しかし恐らくそれよりも、オスマン家が後に20世紀初頭まで続く大帝国となる為の基礎部分を築いて行った事の方が事象としては重要じゃないかと思うのですね。
ムラト1世の治世で明らかになってゆくオスマンの基礎構築は、
大きく分けて次の3点。


1.領国の編成プロセスの成立
2.中枢機構の整備
3.常備軍の創設


こうやって個条書きにした後で原稿書いたら1だけで充分長かったので、
これらの項目については分割して順番に見てゆく事にしますね。


1.領国の編成プロセスの成立
オスマン帝国と言うと専制・中央集権的なものを想像するんじゃないでしょうか。そしてそこからの連想で暴力・略奪・無法、そんな単語も浮かぶかとも思います。
外敵・侵略先に対してだけでなく国内にも容赦ない戦闘国家、たぶんそんなイメージ。
しかし、彼らが新たな土地に進出してゆく上では必ずしもそういう一本調子な臨み方はしていませんし、支配に組み込んだ地域・人に対しては相応の配慮を持って臨んでおり、むしろ彼らは略奪行為一つ取ってもかなり読んだ上で実行している、つまり支配体制を築くプロセスの中に組み込んでやってるフシがあります。
彼らが新たに進出する先での行動パターンはだいたいこの4ターン。

①略奪期
②従属期
③編入期
④直轄期


①略奪期
まず、侵略する地域へ騎兵(騎士階級)からなる略奪専門の部隊を派遣します。
オスマンでは、イスラム/キリスト系を問わず、士族階級の者でオスマンに協力するものはまず地域の軍単位で受け入れ・登録します。これをオスマンではアクンジュと呼んでいました。アクンジュはオスマンの騎士階級ではありますがこの段階では直接軍の指揮下に入る事は普段ありません。では何をしているのかと言うと、これが計画的な略奪行為。
この略奪行為は10~20人程度の小部隊、つまり登録した騎士とその従者くらいの最小単位から、数百人以上を動員した軍管区としての派遣まで様々な単位で行なわれ、村や集落を襲って住民を連れ去ったり収穫物を奪ったりしてゆきます。そしてアクンジュはこの略奪行で得たもののうち1/5を収めることで残りを自分の物とすることが出来ました。彼らの大部分は騎兵で編成されていましたから相当に離れた地域までそうした略奪行為は及んでいたといいます。


②従属期
そうやって住民レベルで動揺させておいてから、次にその土地の領主に対してある程度の規模の軍を派遣するか使節を派遣して従属を迫ります。この時領主が従属要求に応じれば、その領地・独立性は保証する代わりにオスマンへの貢納の支払いをさせると言うわけですね。このやり方はその相手が郡や国単位など大きくなってもほぼ同様で、村→小領主→大諸侯といった風に外堀を埋めるようにして従属を迫ったのです。彼らは平時の貢納のほか、戦争時にはオスマン軍の一部として参加することを求められていました。


③編入期
領主がそうした状態をしばらく受け入れていると、正規の家臣として取り立てる、つまり完全に支配下に入るよう求められます。確かこの時点でも宗派は問われていませんが、記録に出てくるような諸侯・有力家門は実際はほぼ全てイスラム化してますね。ちなみにここで拒否しようものならまず確実に武力行使を受けますので、どっちにしろ小領主では拒否しようがありませんが・・・。でもまあこれは一種の封建領主としての組み込みでしょう。またこれは新規の家臣だけでなく、古くからオスマン家に仕えてきた名門の大諸侯などもこうした所領を与えられており、宗主として受け入れ、一定の納税と軍役奉仕さえするならその権限内での統治を認めるわけで、スルタンの権力が非常に大きいオスマンでも影響力の及びにくい遠隔地や新規の勢力圏では、こうした緩やかな統治が行なわれていたのでした。


④直轄期
領主が死んだ際や紛争が起こった際、スルタンが政略的に重要と判断した場合など、その土地は機を見て順次直轄化されます。
対象となったのは主にバルカン半島やアナトリア方面、それから東ヨーロッパ方面など。
この直轄領を管理をする資格は、先に上げたアクンジュによる略奪行で功績を立てた騎士階級の者に与えられ・運営されます。ただし彼らはその土地を支配・領有しているわけではなく、あくまで徴税権を持っているだけなので所有権はオスマンのスルタンに帰しています。ただまあ徴税権(一定割合の納入義務付きの)を持っている以上、管理者はできるだけ収益が上がるように指導・保護する事になりますね。
こうして徴税権を与えられた騎士たちは、戦時になると見返りとして軍役奉仕の義務を負うわけです。そしてこれが、いわゆるティマール制の原形となったのでした。
ティマールの由来は、大小さまざまな徴税権の中で、与えられた徴税権できる銀貨が2万枚からの最低単位のものを『ティーマール』と呼んだことからとされます。大貴族・上級騎士となるとさらに大きな徴税権『ゼアーメト』『ハス』と呼ぶものがありましたが、外部から見たらややこしいのでティマールという呼称が一般化したのでしょうね。
また、このティーマールは所領でなく徴税権ですから見直しは容易で、戦功などによって細かく評価・増減されたといいます。のほほんとしてたらオスマンの騎士は務まりませんね。



後の時代になると最初にやっていた士族階級を募って略奪部隊として使用すると言う部分は無くなって行きますが、そうした無法行為を最終的に中央集権的な直轄領に組み込む手法はオスマンによるスムーズな勢力拡張を促したのですね。
この過程で重要なのは、オスマンは征服地域の既存勢力も宗派を問わず積極的に取りこんでいたことでしょう。バルカン半島のある地方の例が報告書に出ており、その報告によると支配地域内に組み込んだ騎士階級が72人で、そのうち30数人が地元の旧支配階級、つまり旧主に仕えていた貴族・軍人たちだったと言います。およそ3~4割はこうして既存勢力から採用したというか味方するものは特別拒否しなかったというのは、管理される事になる現地の住民にも安心感があったでしょう。

しかも、元のキリスト教徒であっても改宗してイスラムを受け入れたものは区別無く 『イスラムの家』 の者として出世する道が開けていたのです。こうした、寛容なのか効率重視なのかは分かりませんが優れた人材登用と支配地域を組み込んで行く手法は、オスマンが大国化してくるとかなりの数のギリシア系軍人・政治家を輩出してくる土壌となります。

また改宗しないものも迫害されるわけではなく保護・教育の対象として見られ、異教徒の居住区域には一定の自治権を与え・保護しました。イスラムの統治はだいたいこういう形で、その代わり政治的な出世の道はないし異教徒同士の紛争などは自分たちの慣習・法体系で処理することにさせたのですが、これはまあキリスト教世界の習慣と比べたらはるかに寛容な方針でしょう。

次回は中央部となる政治機構と軍編成を見てゆきますね。



おしまい。


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  1. 2009/06/11(木) 07:35:31|
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