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造船素材紀行 その3

頂点


海・川・湖沼、
水面のあるところ、
人はそこにいつしか船を浮かべ、
やがて大洋に乗り出し、
遂には世界を航路で繋げ、
あらゆる未知の海域を走破する成果を成し遂げてきました。

しかし寒冷地もあれば熱帯地もある気候の差が激しい地球のこと、
そこに住む人々は、
それぞれその土地の素材・さまざまな条件に適応した異なる船を生み、
生活に密着した所から大洋へと乗り出してきたのです。
それはもう、環境・特に素材から生まれ育った技術史。


第三回目の造船素材は、
船材としては恐らく頂点に立つ存在を紹介します。


【インド洋の帝王】
インド~東南アジアに掛けて分布しているその木材は、
船材としてだけでなく現代でも家具や建築用で愛用されている超高級素材。

チーク(Teak)
クマツヅラ科の落葉広葉樹で、硬く・強靭さを持つ基本性能はもちろん、
素直な木質で変な曲げや反りも起きにくく加工も容易という素性の良さを持ち、
しかも耐水性に優れていましたから船材としては理想的な特性を持っていました。

チーク材で唯一扱いにくい点があるとすれば乾燥の遅さがあるのですが、
そもそも原産地がインドですからこれは切り出した後の扱いにはそう困らなかったと思います。
そんな訳でチークの原産地であるインド(南西部のケララ州がその中心)では、
ココヤシと並んで遥か古代期より用いられていた超人気素材でした。
インド洋のダウ船やサムブク船にチーク材が頻繁に用いられたのは単に入手性が良いだけでなく、
こうした素材としての優秀さは大きく影響していたことでしょう。

そしてこのチーク材、もうひとつ無視できない特性がありました。
それは、軽さ。

チーク材は硬く強靭で耐水性に優れているのにも関わらず、
それでいて比重はおよそ0.55~0.65とオーク材や樫材の75~85%程度の重さしかありません。
比重0.6というのは木材の比重としては決して軽い素材ではないのですが、
同等以上の硬さや強靭さを求めた時、その存在は飛びぬけて優れていたのですね。
参考までに主要木材の比重はおおよそ以下の通りです。

0.38=シダー
0.43=ヒノキ
0.47=レッドパイン
0.55=エルム
0.61=チーク
0.63=ビーチ
0.65=マホガニー
0.73=オーク
0.87=樫
1.04=ローズウッド

硬く・強靭で・水に強く・しかも比較的軽い。
この万能ともいうべき素材を前にして、
インドで権益を得ていたイギリスが放って置くはずが有りませんでした。
何しろ前回見たように造船大国イギリスでは本国の木材が枯渇し始めており、
既に北欧・東欧からの輸入が進んでいたのですから。
こうしてインド特産のチーク材は、アフリカを越えてヨーロッパに持ち込まれます。
木材のような重量のある・しかも入手性の良い商品をわざわざ長距離輸送するというのは、
それだけチークの素材としての優秀さを証明しているんじゃないでしょうか。

そしてこのはるばるインドから輸入されたチーク材は様々な船に使用されてきます。
前回見たように主要艦の素材として。
更に速度と航続性能が求められる急送連絡船やフリゲートなどの快速艦に。
チークの持つ優れた耐水性と強靭性は、
世界中の海に展開していた海洋国家イギリスの大きな支えとなった事でしょう。



【超高速船】
そして19世紀の初頭になると、
帆船時代の最後を飾る超高速船が生まれてきます。
そう、クリッパーですね。

北米の輸送船として生まれた初期のクリッパーは、
残念ながらあまり乾燥状態の良くない北米の船材で作られたために就役可能年数が短く、
建造期間が短い代わりに使い捨てになりがちでした。
しかし、そこからその技術・設計思想がイギリスに持ち込まれて主力造船所で作られ始めると、
更に高速・航続距離・就役可能年数を延ばした優秀なクリッパーが生まれて来ます。
そしてその一部の最速を競うクリッパーにもチーク材は使われるようになり、
優れた木材としての特性を遺憾なく発揮したのでした。

代表的なチーク製クリッパー船としては、
やはりカティ・サーク号を上げるべきでしょうか。
1869年に生まれたカティ・サークは鉄骨造で外板にチーク材が使われ、
最速17ノットを記録して中国からロンドンまで107日で到達した世界屈指の高速船でした。
またカティサークと最速を競ったサーモピレー号にもチーク(とパイン材)が使用されており、
こうした帆船の限界に迫る速さを追及したティークリッパー船にとって、
チーク材は理想的な船材だったのでしょうね。

その後、カティ・サークはオーストラリアの羊毛運搬船として使役されたあと、
1920年代になって再発見されて買い戻され、
現代では記念船としてイギリスのグリニッジに展示保存されていました。
建造から70年経っても現役で使役されていたあたりにその頑丈さが伺えますが、
残念なことに修復作業中の一昨年に起きた火災事故によりほぼ半焼失。
このニュースは現存する最後のクリッパー焼失として多くの人が耳にしたことでしょう。
(復元計画は2011年の修復再開を目指してまだ続行中)

そんな訳で古代から近代に至るまで、
チーク材は快速帆船の主力素材として君臨し続けて来ました。

現代でもデッキ材などにチークは使われていますが、
残念なことにインドのチークは保護対象の樹木で希少化しており、
もう既に東南アジア産以外の入手は困難になっています。
大航海世界でも遂にティークリッパーが登場しましたが、
これはぜひチークで作りたかったですね。



おしまい。

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テーマ:大航海時代Online - ジャンル:オンラインゲーム

  1. 2009/12/27(日) 17:03:51|
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